2008年イタリア総選挙

2008年イタリア総選挙

2008年4月13日および14日に実施されたイタリア総選挙は、イタリア共和国憲法制定以来16回目の国会議員選挙であり、上院と下院の全ての議席が改選されました。政権運営における重要な転機を迎えたこの選挙では、選挙戦前の政治状況が深刻な緊張を孕んでいたことが背景にあります。

選挙までの経緯

2008年初頭に、ロマーノ・プローディ首相を中心とする第2次内閣が揺らぎはじめました。1月には、与党である欧州民主連合・人民（UDEUR）が政権離脱を表明し、法務大臣のクレメンテ・マステッラに対する検察捜査が与党内での反発を引き起こしました。これにより、プローディ首相は両院に内閣信任決議案を提出しましたが、下院では可決されたものの、上院では与野党が拮抗しているために否決されました。この状況を受けて、プローディは内閣の総辞職を申し出て、最終的には大統領ジョルジョ・ナポリターノが両院を解散することになりました。

民主党（PD）は、書記長のワルテル・ヴェルトローニが退任を表明した後、独自の選挙戦に集中することを決定しました。一方、野党の最大勢力であるフォルツァ・イタリア（FI）は国民同盟（AN）との新しい連合、自由の人民（PdL）を結成し、戦略を練りました。

選挙データ

• - 解散日: 2008年2月6日
• - 候補者名簿提出日: 2008年3月10日
• - 投開票日: 2008年4月13日・14日
• - 改選数:

- 上院: 315名
- 州選挙区: 309名
- 在外選挙区: 6名
- 下院: 630名
- 大選挙区: 617名
- 小選挙区: 1名
- 在外選挙区: 12名

選挙制度

上院はおおむね比例代表制を採用し、州ごとの拘束名簿式で選出されます。また、一部地区では小選挙区制も導入されています。下院も同様に比例代表制が適用される一方で、小選挙区制度も採用されています。

主な争点

選挙の焦点の一つは、政権の選択にありました。主要政党の首相候補権限を巡る争いが選挙戦を盛り上げました。特に、与党は政権維持を目指し、野党は新たな連合を形成して挑む構図が浮き彫りになりました。

投票結果

選挙結果は中道右派連合が最多の得票を獲得する展開となりましたが、中道勢力の離脱によって票は分散しました。対照的に、民主党は分裂が進み、地域ごとの票が散らばった結果、約50%を占めていた中道左派勢力は議席を減らしました。

選挙後、自由の人民が上下両院で過半数を取得し、その党首シルヴィオ・ベルルスコーニは3回目の首相職に就任しました。その一方で、民主党は野党に転落し、結果として改選議席は増加したものの、共産党は議席を失うなどの厳しい結果に直面しました。この選挙は、イタリアの政治的風景に大きな影響を与えました。

おわりに

このように、2008年のイタリア総選挙は、政治的な変化を既に示す重要な出来事であり、それは現代イタリアの政治を考える上でも避けて通れないテーマとなっています。

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