2009年欧州議会議員選挙 (イタリア)

2009年イタリア欧州議会議員選挙：結果と分析

2009年6月6日と7日、イタリア共和国では欧州議会議員選挙が実施されました。これは、欧州議会の議員を全面改選するための選挙で、EU加盟27カ国で同時に行われた選挙の一部です。本稿では、イタリアにおける選挙結果を詳細に分析します。

選挙の概要

イタリアにおける選挙は、比例代表制に基づいて行われました。全国が5つの選挙区（北西部、北東部、中部、南部、島嶼部）に分割され、有権者は政党名簿に投票しました。ただし、名簿中の候補者の中から、特に支持する候補者を優先的に投票できる「優先投票」制度が導入されていました。ただし、各選挙区で当選できる候補者数には制限があり、制限連記制が採用されていました。

選挙区ごとの議席数は、全国での各政党の得票数に応じて、最大剰余方式（ヘアー式）で配分されました。その後、各政党の獲得議席を、各選挙区での得票数に基づいて、再びヘアー式で配分するという二段階のプロセスが用いられました。少数民族政党には、議席配分において優遇措置が設けられていました。

選挙結果

選挙の結果は以下のとおりです。

投票日: 2009年6月6日、7日
選挙権者数: 約5,034万名
投票者数: 約3,275万名
投票率: 約65.05%
白票: 約98万票
無効票: 約111万票
欧州議会議員定数: 72議席
任期: 5年

（注記）: 1％未満の得票にとどまった政党や政党連合については、「その他の政党及び政党連合」としてまとめて記載しています。各政党の議席数や得票率の詳細については、イタリア内務省選挙アーカイブなどの資料を参照ください。

選挙制度の詳細

イタリアの欧州議会議員選挙は、比例代表制を採用しているものの、優先投票制度という特徴を持っていました。有権者は、政党名簿に投票する際に、その名簿に記載されている候補者の中から、特に支持する候補者を選択することができました。この制度は、有権者の意思をより反映させ、候補者の個性を重視する効果が期待されていました。しかし同時に、制限連記制によって、当選者数の制限が設けられていました。

議席配分は、まず全国レベルで各政党の得票数に応じて最大剰余方式で配分され、その後、各選挙区での得票数に基づいて、各政党の議席がさらに配分されました。この二段階の配分プロセスは、地域的なバランスを考慮した議席配分を行うことを目的としていました。また、少数民族政党への優遇措置も設けられており、多様な政治勢力の反映を図るための配慮がなされていました。

まとめ

2009年のイタリア欧州議会議員選挙は、比例代表制と優先投票制度、そして制限連記制という複雑な選挙制度の下で行われました。投票率は65%を超え、国民の関心の高さがうかがえます。選挙結果は、イタリアの政治情勢を反映しており、今後のEUにおけるイタリアの役割にも影響を与えることでしょう。より詳細なデータ分析には、イタリア内務省選挙アーカイブなどの一次資料を参照することをお勧めします。また、西平重喜『各国の選挙　変遷と実情』や馬場康雄・平島健司編著『ヨーロッパ政治ハンドブック』などの書籍も、選挙制度や背景を理解する上で役立ちます。

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