2011年の世界ラリー選手権

2011年世界ラリー選手権：激動のシーズンとローブの戴冠

2011年の[世界ラリー選手権]は、FIA世界ラリー選手権の第39回大会として、2月10日のラリー・スウェーデンから幕を開け、全13戦で争われました。このシーズンは、レギュレーションの変更、参加チームやドライバーの入れ替わりなど、数々の変化が特徴的でした。そして、最終的にセバスチャン・ローブが8度目のタイトルを獲得するという結果に終わりました。

新レギュレーションとタイヤ供給体制

2011年から、WRC車両のレギュレーションが大幅に変更されました。ベース車両はスーパー2000となり、ターボやリアウィングなどの追加キットが装着可能となりました。ただし、このキットの装着と取り外しは規定時間内に行わなければならず、エンジンの排気量も2000ccから1600ccへと変更されました。

コスト削減のため、タイヤ供給メーカーの規制も変更され、複数のメーカーがタイヤを供給できるようになりました。ピレリがF1に専念したためWRCを撤退したことで、ミシュランと中国メーカーのDMACKがタイヤ供給を担いました。さらに、最終日のテレビ中継されるステージを「パワーステージ」とし、上位3名に3-2-1ポイントのボーナスポイントが追加されるシステムも導入されました。

スケジュールの変更と復帰戦

2011年シーズンのWRCカレンダーは、世界モータースポーツ評議会(WMSC)の投票によって決定されました。前年[インターコンチネンタル・ラリー・チャレンジ]の一戦だったラリー・ド・イタリア・サルデーニャとラリー・アルゼンチンがWRCに復帰し、ラリー・ブルガリアとラリー・ジャパンはカレンダーから外れました。また、前年休止していたアクロポリス・ラリーが復帰し、ラリー・オブ・ターキーに代わり、ラリー・オーストラリアもラリー・ニュージーランドに代わって復帰を果たしました。

参加チームとドライバーの変動

ドライバーの面では、セバスチャン・オジェがフォードからのオファーを断り、シトロエンと契約を結びました。2009年のIRCチャンピオン、クリス・ミークはプロドライブのミニ・ジョン・クーパー・ワークスWRCでWRCにデビューし、元シトロエンのダニ・ソルドと共にチームを組むことになりました。他にも、ペーター・ヴァン・メルクティンJr.、ダニエル・オリヴェイラ、デニス・カイパースといったドライバーが、それぞれのチームで活躍しました。

チームの面では、ミニが1967年以来となるワークス参戦を果たしました。プロドライブが開発したミニ・ジョン・クーパー・ワークスWRCは、2011年は限られたイベントへの参加でしたが、2012年からのフル参戦を目指していました。

各クラスの戦い

WRC以外にも、SWRC（サポートWRC）、PWRC（生産車WRC）、WRCアカデミーといったクラスが開催されました。WRCアカデミーはフォード・フィエスタR2のワンメイクレースとして注目を集めました。

シーズン結果

最終的に、ドライバーズチャンピオンシップはセバスチャン・ローブが制覇し、8度目のタイトルを獲得しました。マニュファクチャラーズチャンピオンシップ、そしてSWRC、PWRC、WRCアカデミーといった各クラスでも、激しい戦いが繰り広げられました。ICE 1レーシングは、ラリー・オーストラリアを欠場したためマニュファクチャラーズランキングから除外されるという出来事がありました。

まとめ

2011年WRCシーズンは、レギュレーション変更、参加チームとドライバーの入れ替わり、そして新たなポイントシステムの導入など、様々な変化がありました。その中でセバスチャン・ローブが圧倒的な強さを見せつけ、8度目のチャンピオンに輝いたシーズンとなりました。各クラスの戦いも白熱し、WRCの歴史に刻まれた1年となりました。

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