2012年5月ギリシャ議会総選挙

2012年5月ギリシャ議会総選挙：緊縮財政への国民の審判と政局の混迷

2012年5月6日、ギリシャでは議会を構成する議員を選出するための総選挙が実施されました。この選挙は、2010年1月に表面化した財政危機と、それに伴う連立与党による厳しい改革・緊縮財政政策に対する国民の審判という側面を持つものでした。

選挙の背景

2011年11月、当時の連立与党（新民主主義党と全ギリシャ社会主義運動）は、2013年の任期満了を待たずに議会を解散し、総選挙を実施することで合意しました。これは、財政危機への対応として国民に負担を強いる政策を推進してきた与党が、その信任を改めて問う意味合いがありました。2012年4月11日に議会が解散され、選挙戦に突入しました。

選挙結果

選挙の結果、連立与党である新民主主義党（ND）と全ギリシャ社会主義運動（PASOK）は、合計議席で過半数を割り込むという結果になりました。NDは得票率1位となったため、優先配分制度によって議席を増やしたものの、得票率は大幅に減少しました。一方、PASOKは大幅に議席を減らし、第3党に転落しました。

緊縮財政政策に反対してきた急進左翼連合（SYRIZA）は、得票と議席を大幅に増やし、第2党に躍進しました。また、新党である独立ギリシャ人やギリシャ共産党も議席を増やし、極右政党「黄金の夜明け」が初めて国会に進出するなど、議会の勢力図は大きく変化しました。


投票率は65.10％でした。

選挙後の政局

連立与党が過半数を割り込んだことで、新たな連立政権の樹立が困難となりました。各党間の協議は行われたものの合意には至らず、最終的に再選挙を行うことが決定されました。パプーリアス大統領は、パナギオティス・ピクラメノスを暫定首相に任命し、再選挙までの間、選挙管理内閣が組閣されました。

再選挙は6月17日に行われ、その結果もまたギリシャの政局に大きな影響を与えることになります。

関連項目

ギリシャの経済#ギリシャ経済危機 （2010年-）
パパデモス内閣
* 2012年6月ギリシャ議会総選挙

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