2012年6月ギリシャ議会総選挙

2012年6月ギリシャ議会総選挙

2012年6月17日、ギリシャでは議会総選挙が実施されました。この選挙は、同年5月に行われた総選挙で連立与党が過半数を獲得できなかったことを受け、再選挙として行われたものです。

選挙の背景

5月の総選挙では、新民主主義党（ND）と全ギリシャ社会主義運動（PASOK）による連立与党が過半数割れとなり、急進左派連合（SYRIZA）が第2党に躍進するなど、緊縮財政に反対する勢力が台頭しました。しかし、連立交渉はSYRIZAが緊縮財政政策への反対を譲らなかったため決裂し、政権樹立はできませんでした。事態を受け、パプーリアス大統領は議会を解散し、6月の再選挙へと至りました。

選挙の争点

この選挙は、緊縮財政政策の是非と、ギリシャのユーロ圏残留という二つの重要なテーマを巡る事実上の国民投票となりました。ギリシャ経済は深刻な不況に見舞われており、緊縮財政政策は国民生活に大きな影響を与えていました。そのため、緊縮財政を支持するのか、それとも反対するのかが、選挙の最大の争点となりました。

選挙結果

選挙の結果、緊縮財政政策を支持する新民主主義党（ND）が得票数と議席数を増やし、第1党となりました。急進左派連合（SYRIZA）も得票と議席を伸ばしたものの、第2党にとどまりました。最終的に、NDは第3党のPASOKと連立を組み、過半数の議席を確保することに成功しました。

投票率：62.47%
新民主主義党（ND）：第1党
急進左派連合（SYRIZA）：第2党

ただし、阻止条項である3%を上回って議席を獲得した政党の得票で見た場合、緊縮財政政策支持派のNDとPASOKの合計得票率は42.0%にとどまり、緊縮財政反対派の合計得票率は52.1%と、依然として反対派が多数を占めている状況に変わりはありませんでした。

選挙後の動き

選挙結果を受けて、NDのサマラス党首は「国民はユーロ圏残留を選択した」と勝利を宣言しました。その上で、ギリシャ経済の成長を確実なものとするため、債務返済期限の2年程度の延長を求める姿勢を示しました。一方、SYRIZAのツィプラス党首は、「18日から戦いを続ける」と述べ、最大野党として緊縮財政に対する徹底的な対決姿勢を明らかにしました。

まとめ

2012年6月のギリシャ議会総選挙は、緊縮財政とユーロ圏残留という重要な岐路に立つギリシャ国民の意思を示すものでした。選挙の結果、緊縮財政支持派が勝利したものの、反対派も根強い支持を集めており、今後のギリシャ経済の行方は依然として不透明な状況が続いています。

参考文献

ギリシャ経済最新情報.日本外務省

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