2015年スリランカ議会総選挙

2015年スリランカ議会総選挙：政治の転換点

2015年8月17日に行われたスリランカ議会総選挙は、スリランカの政治情勢に大きな変化をもたらしました。この選挙は、225議席からなる国会議員を選出するために実施されました。

選挙の背景

前回2010年の総選挙では、統一人民自由同盟（UPFA）がタミル・イーラム解放のトラ（LTTE）との戦勝を背景に圧勝しました。しかし、その後、マヒンダ・ラージャパクサ大統領は憲法改正により自身の権限を強化し、3選禁止条項を撤廃しました。2015年の大統領選挙では、UPFAからの離脱組であるマイトリーパーラ・シリセーナが野党統一候補として勝利し、ラージャパクサ大統領の3選を阻止しました。シリセーナ大統領は、統一国民党（UNP）を中心とした内閣を組織し、100日改革プロジェクトを掲げましたが、議会での抵抗に直面し、選挙改革は進展しませんでした。その結果、UNPが総選挙の実施を要求し、2015年6月26日に議会が解散されました。

選挙制度

選挙制度は非拘束名簿式比例代表制で、22の選挙区から196名が選出されます。選挙区ごとの定数は以下の通りです。

コロンボ：19人
ガンパハ：18人
クルネーガラ：15人
キャンディ：12人
ゴール、カルタラ：各10人
アヌラーダプラ、ケーガッラ：各9人
バドゥッラ、マータラ、ヌワラ・エリヤ、プッタラム：各8人
アンパーラ、ハンバントタ、ジャフナ：各7人
ヴァンニ：6人
バッティカロア、マータレー、モナラーガラ、ポロンナルワ：各5人
トリンコマリー：4人

残りの29議席は全国区として、得票率に応じて各政党に配分されます。

各政党の動き

総勢6,151名が立候補し、各政党が選挙戦を展開しました。

統一人民自由同盟（UPFA）：大統領選での敗北後、野党に転落。シリセーナ大統領の改革を支持する一方で、党内にはラージャパクサ前大統領を支持する勢力が根強く、首相候補として推薦する動きがありました。
良い統治のための統一国民戦線（UNFGG）：UNPが中心となり、スリランカ・ムスリム会議（SLMC）やタミル進歩連合（TPA）などと結成。シリセーナ大統領の支持を得られると期待しましたが、大統領は中立を維持しました。
タミル国民連合（TNA）：北部州と東部州で20議席獲得を目指しました。
* 人民解放戦線（JVP）：過去の選挙では政党連合に参加していましたが、今回は独自に候補者を擁立しました。

選挙結果

UNFGGが45.66%の得票で106議席を獲得しましたが、単独過半数には届きませんでした。UPFAは42.38%の得票で95議席を獲得しました。ラージャパクサ前大統領は速やかに敗北を宣言しました。

この選挙は、スリランカ政治における権力構造の変化を示すものであり、その後の政局に大きな影響を与えました。

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