2016年中華民国総統選挙

2016年中華民国総統選挙

2016年中華民国総統選挙は、2016年1月16日に台湾で行われた総統・副総統を選出する選挙です。この選挙は、普通、平等、直接、秘密選挙の原則が採用されてから6回目の選挙であり、同日には立法委員選挙も行われるダブル選挙となりました。

概要

民主進歩党（民進党）の蔡英文が、中国国民党（国民党）の朱立倫、親民党の宋楚瑜を大差で破り、当選を果たしました。蔡英文は、台湾の全22県市のうち18県市で朱立倫の得票を上回り、300万票以上の差をつけて圧勝しました。これにより、蔡英文は中華民国初の女性総統となりました。

この選挙では、台湾の二大政党の候補者がともに女性となるという史上初の出来事がありました（民進党候補の蔡英文、国民党元候補の洪秀柱）。しかし、洪秀柱は大陸との統一に関する発言などで支持を大きく落とし、国民党は党主席の朱立倫を新たな総統候補に指名し直しました。国民党は朱立倫の下で巻き返しを図りましたが、支持を取り戻すことはできませんでした。

蔡英文は、1996年の総統選挙で李登輝が次点と32.9%の大差で当選して以来、初めて25%以上の大差をつけての当選となりました。

選挙制度

総統候補は副総統候補とペアで出馬し、最も多くの票を獲得した候補ペアが当選します。

選挙権は、台湾地区に6ヶ月以上在住する20歳以上の中華民国国民に与えられます。在外住民も選挙権を有します。

被選挙権は、台湾地区に6か月以上在住し、中華民国国民として15年以上経過した40歳以上が有します。ただし、中華民国国籍を回復、帰化した者、中国大陸から移住してきた国民は被選挙人として登録できません。

立候補には、政党（直近の国政選挙で5％以上の得票）からの推薦を得るか、複数の政党による推薦（推薦政党の直近国政選挙の得票数合計が5%以上）が必要です。無所属で立候補する場合は、前回総統選挙の有権者の1.5％の署名を提出する必要があります。

候補者

民主進歩党

蔡英文が民進党の総統候補として正式に登録され、副総統候補には中央研究院前副院長の陳建仁が指名されました。

中国国民党

当初、洪秀柱が国民党の総統候補として登録されましたが、統一に関する発言が論争を呼び、支持を失いました。その後、国民党は臨時大会を開き、洪秀柱の指名を取り消し、朱立倫を新たな総統候補として指名しました。朱立倫は副総統候補に弁護士の王如玄を指名しました。

親民党・民国党

親民党主席の宋楚瑜が3度目の総統選への立候補を表明し、副総統候補には立法委員の徐欣瑩を指名しました。

選挙結果

蔡英文が圧倒的な得票で当選し、台湾初の女性総統となりました。

選挙に関連する出来事

2014年中華民国統一地方選挙（九合一選挙）: この選挙は、総統選挙の前哨戦と見なされました。
ツウィ謝罪事件: 韓国のガールズグループの台湾人メンバーが中国からバッシングを受け、選挙前日に謝罪した騒動は、選挙に影響を与えたと考えられています。

この選挙は、台湾の政治における重要な転換点となり、その後の台湾の政治、経済、社会に大きな影響を与えました。

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