2017年の世界ラリー選手権

2017年世界ラリー選手権：激動のシーズンとMスポーツの快挙

2017年の[世界ラリー選手権]は、FIA世界ラリー選手権の第45回大会として、1月から11月にかけて全13戦が開催されました。WRC-2、WRC-3、ジュニアWRCもサポートシリーズとして開催され、世界中から多くのラリーファンを魅了しました。このシーズンは、レギュレーションの変更や、マニュファクチャラーの入れ替わりなど、数々の出来事が注目を集めました。

レギュレーションの改定とマニュファクチャラーの動向

2017年は、WRカーのレギュレーションが2度目の改定を迎えました。1600cc直噴ターボエンジンを搭載したWRカーは2011年から採用されていましたが、WRC-2のグループR5と類似していたことから、FIAはWRカーに更なる存在感を与えるべく、エンジンの出力向上、ワイドボディ化、エアロパーツの自由度拡大といった変更を行いました。

この変更に伴い、マニュファクチャラーの陣容にも大きな変化がありました。前年度末に電撃的に撤退したフォルクスワーゲンに代わり、トヨタが18年ぶりにWRCに復帰。シトロエンもワークス活動を再開し、新たな戦いが幕を開けました。

予想外の展開とMスポーツの躍進

4連覇中のセバスチャン・オジェはMスポーツに移籍し、開幕戦ラリー・モンテカルロを制覇。しかし、シーズンはオジェの独走とはならず、ヒュンダイのティエリー・ヌービルが4勝、オィット・タナクが2勝(うち1勝は初優勝)、エルフィン・エバンスがDMACKと共にWRC初優勝を飾るなど、接戦が繰り広げられました。オジェは2勝に留まりましたが、高い安定性を保ち、最終戦を待たずにドライバーズタイトルを獲得しました。

一方、Mスポーツは純プライベーターとして、ドライバーズタイトルとマニュファクチャラーズタイトルの2冠を獲得するという快挙を達成しました。これはWRCの歴史において、純プライベーターチームとして両タイトルを獲得した初の快挙であり、大きな話題となりました。ヒュンダイはヌービルの活躍で大幅な躍進を見せましたが、ドライバーズ、マニュファクチャラーズ共に惜しくも2位となりました。

トヨタは復帰初年度で、ヤリ-マティ・ラトバラの優勝やエサペッカ・ラッピの初優勝など、将来性を感じさせる活躍を見せました。しかし、マシントラブルやドライバーのミスも相次ぎ、マニュファクチャラーズ選手権は3位、ドライバーズ選手権は4位に終わりました。シトロエンはクリス・ミークの2勝などポテンシャルを示しましたが、安定性に欠け、マニュファクチャラーズ選手権最下位、ドライバーズ選手権7位という結果に終わりました。

スケジュールとレギュレーションの変更点

2017年のWRCカレンダーは、ツール・ド・コルスが4月に変更されたこと、チャイナ・ラリーとラリー・トルコが除外されたことが大きな変更点でした。また、レギュレーションにおいても、WRCトロフィーの新設、プライオリティ1ドライバーのSS出走順の変更、マニュファクチャラーポイント対象ドライバー数の増加、パワーステージのポイント付与範囲拡大などが行われました。これらの変更は、レースの戦略や展開に影響を与えました。

まとめ

2017年WRCシーズンは、レギュレーションの変更、マニュファクチャラーの入れ替わり、そして予想外の接戦など、多くのドラマがありました。Mスポーツの快挙は、WRCの歴史に新たな1ページを刻みました。各チーム、ドライバーの戦略、そしてマシンの性能が複雑に絡み合い、最後まで目が離せない、まさに激動のシーズンだったと言えるでしょう。様々な要素が絡み合い、予測不能な展開が続く中、Mスポーツは純粋なプライベーターチームとして頂点に立ったのです。このシーズンは、WRCの歴史の中でも記憶に残る、非常にエキサイティングなシーズンとなりました。

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