2019年福岡県知事選挙

2019年4月7日に投票が行われた福岡県知事選挙は、福岡県の執行機関である知事を選び直すために実施された選挙です。これは現職の小川洋氏の4年の任期満了に伴うものであり、同日には福岡県議会議員選挙も実施され、第19回統一地方選挙の前半戦として注目されました。

この選挙の告示日は2019年3月21日、投票日は2019年4月7日でした。首長選挙という形態で行われたこの選挙には、複数の候補者が立候補を届け出ました。

今回の福岡県知事選挙における最大の争点、そして特徴となったのは、自民党の分裂でした。前回の2015年の選挙では、日本共産党を除く与野党各党が現職の小川氏を支援する「オール与党」という異例の体制で小川氏が当選していました。

しかし、2019年の選挙に向けて、自民党福岡県連は独自候補の擁立を目指し、厚生労働省出身の武内和久氏を候補者として決定しました。自民党本部もこの武内氏への推薦を決定しましたが、連立を組む公明党は自主投票を選択。さらに、自民党内でも現職の小川氏を支持する議員が存在し、党内が完全に一枚岩とはならないまま選挙戦に突入することとなりました。

主な立候補者は以下の通りです（届け出順、年齢は投開票日時点）。

小川 洋：現職。幅広い層からの支持を目指しました。
武内 和久：自民党推薦。厚生労働省出身。
篠田 信介：無所属。

また、選挙戦の過程では、元九州大学教授の谷口博文氏も当初は立候補に意欲を示していました。谷口氏は自民党の候補者公募に応募しましたが選ばれず、その後も出馬の意向を表明していましたが、2019年2月14日に会見を開き、立候補を取りやめて武内氏を支援する意向を明らかにしました。

選挙に至るまでの主な動きは以下の通りです。

2018年12月20日：現職の小川氏が会見で3選を目指し立候補を表明。
2018年12月29日：自由民主党福岡県連が武内氏の推薦を決定。
2019年1月30日：自由民主党本部が武内氏の推薦を決定。
* 2019年2月21日：篠田氏が会見で立候補を表明。

選挙結果は、現職の小川洋氏が三選を果たす形となりました。小川氏は、これまでの実績を強調し、自民党からの公認は得られなかったものの、党派を超えた幅広い層からの支持を獲得しました。

一方、自民党公認として立候補した武内和久氏は、医療福祉問題を中心に政策を訴えましたが、官僚出身という経歴から「トップダウン」的なイメージを持たれやすい点が有権者に忌避され、支持を広げきれなかったと分析されています。結果として、小川氏が武内氏らを破り、当選を果たしました。

この選挙の最終投票率は42.72%で、前回の選挙より3.78ポイント上昇しました。当日有権者数は4,180,574人でした。

今回の選挙は、自民党が候補者を一本化できず、分裂選挙となったことが大きな特徴であり、その構図の中で現職が強さを見せつけ、三選を勝ち取った選挙となりました。

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