2020年の文学

2020年の文学

2020年は、日本の文学界において、権威ある文学賞の発表や多様な作品の登場により、活発な動きが見られた一年でした。

年間の出来事としては、特に主要な文学賞の選考結果に注目が集まりました。年始には、2019年下半期を対象とした第162回芥川龍之介賞および直木三十五賞の受賞作が決定しました。

第162回芥川賞・直木賞（2019年下半期）

2020年1月15日、第162回芥川賞・直木賞の選考会が開催されました。芥川賞には、純文学作品として古川真人氏の『背高泡立草（せいたかあわだちそう）』が選ばれました。この作品は文芸誌『すばる』の2019年10月号に掲載されたものです。一方、直木賞には、大衆文学の分野から川越宗一氏の歴史小説『熱源』が授与されました。同作は文藝春秋より刊行されています。

第17回本屋大賞

春には、全国の書店員が最も売りたい本を選ぶ賞として知られる本屋大賞の発表がありました。2020年4月7日に結果が公表された第17回本屋大賞には、凪良ゆう氏の『流浪の月』が選ばれました。この作品は東京創元社から出版され、幅広い読者層から支持を集めました。

第163回芥川賞・直木賞（2020年上半期）

夏には、2020年上半期を対象とした第163回芥川龍之介賞および直木三十五賞の選考が行われました。2020年7月15日に発表された結果によると、芥川賞は二作が同時受賞となりました。高山羽根子氏の『首里の馬』と、遠野遥氏の『破局』です。『首里の馬』は新潮社の文芸誌『新潮』2020年3月号に掲載され、『破局』は文藝春秋の文芸誌『文藝』夏季号に掲載されました。直木賞には、馳星周（はせ せいしゅう）氏の動物をテーマにした小説『少年と犬』が選出されました。こちらも文藝春秋より出版されています。

2020年に注目された書籍

これらの主要な文学賞の受賞作以外にも、2020年には多くの話題作が刊行されました。注目を集めた作品としては、以下のようなものがあります。

大山誠一郎氏によるミステリー小説『アリバイ崩し承ります』（実業之日本社）
瀬尾まいこ氏の感動的な物語『そして、バトンは渡された』（文藝春秋）
谷川流氏の人気シリーズ最新作『涼宮ハルヒの直観』（KADOKAWA）
東野圭吾氏の人気シリーズ続編『マスカレード・ナイト』（集英社）
* 村田沙耶香氏の芥川賞受賞後初の長編小説『コンビニ人間』（文藝春秋）

これらの作品は、様々なジャンルにわたり、多くの読者に読まれました。

2020年の文学界は、こうした主要な文学賞の動向や、多様な作家たちによる作品の発表によって彩られた一年と言えるでしょう。前年の2019年、そして翌年の2021年へと文学の流れは続いていきます。

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