2021年の世界ラリー選手権

2021年FIA世界ラリー選手権：激動のシーズンと新たな挑戦

2021年の世界ラリー選手権（WRC）は、FIA世界ラリー選手権の第49回大会として開催されました。新型コロナウイルス感染症の世界的流行という未曽有の事態に見舞われたこのシーズンは、当初予定されていたスケジュールから大きな変更を余儀なくされ、各チーム、ドライバーにとって大きな試練となりました。

予想外のスケジュール変更

パンデミックの影響はWRCカレンダーに大きな影響を与えました。いくつかのラリーが開催中止となり、開催地変更や開催時期の延期が相次ぎました。具体的には、ラリー・スウェーデンの中止、ラリーGBの中止（財政難による）、ラリー・チリの中止、そしてラリー・ジャパンの中止という、当初発表されたスケジュールからの大幅な変更がありました。

一方、パンデミック後、開催が危ぶまれたラリー・チリや、2年ぶりに復帰したラリー・カタルーニャなどの復活もありました。また、ラリー・クロアチアが新たに第3戦として開催されるなど、カレンダーは大きく変貌を遂げました。ラリー・エストニアも開催時期が変更され、更にアークティック・ラリー・フィンランドがWRC初となる北極圏イベントとして開催されるなど、その変動ぶりは計り知れませんでした。ラリー・フィンランドも当初の予定より延期となりました。

チームとドライバーの変動

チームやドライバーの体制にも大きな変化がありました。

トヨタ: 勝田貴元選手が全戦参戦。トミ・マキネン氏のチーム代表退任に伴い、ヤリ＝マティ・ラトバラ氏が後任に就任しました。
ヒュンダイ: セバスチャン・ローブ選手のワークス離脱。ヌービル選手とタナック選手が全戦参戦、ソルド選手とブリーン選手が3台目をシェア。ヌービル選手は長年タッグを組んだコ・ドライバーと別れ、新しいパートナーとシーズンに臨みました。2Cコンペティションがワークス支援を受け、マニュファクチャラー参戦を開始しました。ドライバーはルーベ選手。
* Mスポーツ・フォード: エサペッカ・ラッピ選手の退団。グリーンスミス選手がフル参戦、スニネン選手とフルモー選手が2台目をシェアする体制に。スニネン選手はコ・ドライバーを変更しました。

シーズン中もドライバーやコ・ドライバーの変更が相次ぎました。新型コロナウイルス感染症の陽性反応、負傷、家庭の事情など様々な要因により、多くの交代劇が繰り広げられました。中には、FIA規定違反による出場停止処分を受けたドライバーもいました。これにより、各チームは常に臨機応変な対応を迫られ、予期せぬ事態への対応力が試されました。

レギュレーション変更

2021年シーズンより、タイヤがワンメイクとなり、ピレリ製のコントロールタイヤが導入されました。パワーステージでは、ドライバーズポイントに加え、上位5台にマニュファクチャラーポイントも加算されるようになり、WRC2およびWRC3でもパワーステージが導入されました。これらの変更は、レース戦略やチーム運営に大きな影響を与えました。

シーズン結果

各ラリーの結果、ドライバーズチャンピオンシップ、コ・ドライバーズチャンピオンシップ、そしてマニュファクチャラーズチャンピオンシップについては、詳細な結果をこの場では省略しますが、各ランキングにおいて熾烈な争いが繰り広げられたシーズンとなりました。

まとめ

2021年WRCは、パンデミックの影響、レギュレーション変更、そして数々のドラマが交錯した、非常に記憶に残るシーズンとなりました。各チーム、ドライバーの戦略、そして予期せぬ出来事への対応能力が問われた一年であり、WRCの歴史に刻まれたシーズンと言えるでしょう。今後のWRCの発展にも大きな影響を与えたシーズンであったことは間違いありません。

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