2022年のセントルイス・カージナルス

2022年セントルイス・カージナルス：栄光と別れのシーズン

2022年は、セントルイス・カージナルスにとって球団創設140周年の記念すべきシーズンでした。新監督オリバー・マーモルの下、チームはナショナルリーグ中地区で3年ぶりとなる優勝を果たしましたが、その道のりは決して平坦ではありませんでした。

シーズンオフの動向

前年、カージナルスは90勝72敗で地区2位となり、ワイルドカードゲームでロサンゼルス・ドジャースに敗れました。シーズン終了後、マイク・シルト監督が解任され、10月25日にオリバー・マーモルが新監督に就任しました。

しかし、オフシーズンはMLB機構と選手会の労使交渉決裂により、99日間に及ぶロックアウトが実施され、FA選手の補強が滞る事態となりました。ロックアウトは2022年3月10日に解除され、チームはようやく戦力補強に取り掛かることができました。また、この年からナショナルリーグにもDH制が導入されることが決定し、チーム編成に新たな戦略が求められることになりました。

シーズン開幕と地区優勝

ロックアウトの影響で調整が遅れたものの、カージナルスはシーズン開幕後、着実に勝利を重ねました。9月27日には、ミルウォーキー・ブルワーズとの直接対決を制し、見事3年ぶりの地区優勝を決めました。チームはレギュラーシーズンを93勝69敗で終え、ポストシーズンへの進出を果たしました。

ワイルドカードシリーズ敗退とレジェンドの引退

ワイルドカードシリーズでは、フィラデルフィア・フィリーズと対戦しました。しかし、カージナルスは本拠地ブッシュ・スタジアムで2連敗を喫し、まさかの敗退となりました。地区優勝の勢いを持続できず、悔しい結果となりました。

さらに、この年限りで、チームの顔であったヤディアー・モリーナとアルバート・プホルスが現役を引退しました。モリーナは長年チームを支え続けた名捕手であり、プホルスはメジャーリーグを代表するスラッガーでした。二人の引退は、カージナルスファンにとって大きな悲しみであり、チームの世代交代を象徴する出来事となりました。

シーズン終了後には、ホセ・キンタナ、コーリー・ディッカーソンがFAとなり、チームを去りました。

チームと個人の記録

チームとしては地区優勝を果たしたものの、ワールドシリーズ制覇には届きませんでした。しかし、個人としては多くの選手が素晴らしい成績を残しました。

主な表彰選手

ノーラン・アレナド：プレイヤー・オブ・ザ・マンス（4月、8月）、ゴールドグラブ賞（三塁手）、シルバースラッガー賞（三塁手）
ポール・ゴールドシュミット：プレイヤー・オブ・ザ・マンス（5月）、シルバースラッガー賞（一塁手）、ハンク・アーロン賞、MVP
ブレンダン・ドノバン：ゴールドグラブ賞（ユーティリティー）

主な達成記録

7月16日 - ポール・ゴールドシュミットが通算300本塁打
9月23日 - アルバート・プホルスが通算700本塁打、史上4人目
10月2日 - アルバート・プホルスが歴代2位の通算2214打点

特に、プホルスの700本塁打達成は、メジャーリーグ史に残る偉業として称えられました。

まとめ

2022年のセントルイス・カージナルスは、地区優勝を果たしたものの、ワイルドカードシリーズで敗退し、モリーナとプホルスという二人のレジェンドが引退するなど、様々な出来事がありました。新監督の下、新たなチーム作りが始まる2023年シーズンに、カージナルスがどのような戦いを見せるのか、注目が集まります。

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