2500トン型護衛艦

2500トン型ガスタービン搭載対潜護衛艦の概要

2500トン型ガスタービン搭載対潜護衛艦は、日本の海上自衛隊が第4次防衛力整備計画の一環として計画した艦級で、主に対潜任務を担う護衛艦としての仕様が盛り込まれています。この艦級の特徴は、初めてガスタービンエンジンを採用したことです。この計画は、昭和49年度から昭和51年度にかけて3隻を建造する予定でありましたが、オイルショックの影響を受けて計画が縮小されました。

計画の背景

海上自衛隊は昭和29年度から、三菱重工業長崎造船所で建造した魚雷艇「はやぶさ」にガスタービンを搭載して運用を開始していましたが、その結果は芳しくありませんでした。この経験を経て、ガスタービンの採用には躊躇が生じましたが、1960年代から1970年代にかけて、欧米においてはガスタービンの採用が進んでおり、日本でも技術革新が求められるようになりました。結果として、昭和44年度計画の魚雷艇にガスタービンが搭載されるようになり、この流れが2500トン型ガスタービン搭載対潜護衛艦の開発へと繋がりました。

設計の特徴

この艦級の設計は、ほぼあおくも型に基づいています。特に、後部に装備される予定だったシースパローBPDMSミサイル発射機のために、後部の構造が再設計され、必要なスペースが確保されています。また、戦闘指揮所の面積もあおくも型の1.5倍にするなど、防衛機能が強化されています。

機関も刷新され、英ロールス・ロイスと米ゼネラル・エレクトリックの2種類のガスタービンが検討された結果、実績のあるTM3B型が選ばれました。また、CODOG（ガスタービンとディーゼルエンジンの組み合わせ）方式が採用され、前部にはガスタービン、後部にはディーゼルエンジンを配置する形が計画されました。これにより推進効率を向上させることで、運用時の能力を高めることが期待されました。

計画の中止とその影響

1971年には、基本設計がほぼ固まり、具体的な艦の姿が見えてきました。しかし、1973年のオイルショックによって、予算の状態が厳しくなり、建造数の縮小が余儀なくされました。その結果、49年度計画艦は、あおくも型の「ゆうぐも」として建造され、提案されていたシースパローBPDMSは後の計画に回されました。結果として、計画中止の影響を受けたものの、本型で得られた技術や知見は、後のはつゆき型やいしかり型に活かされていきました。

結論

2500トン型ガスタービン搭載対潜護衛艦は、海上自衛隊にとって重要な新型艦と位置づけられていましたが、外的要因により計画が縮小される結果となりました。それでも、この艦級の設計により得られた技術革新は、後の艦艇に多くの有益な影響を及ぼしたといえます。

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