3DACE

3DACE（スリーディーエース）は、日本国内で開発された3Dポリゴンモデリングソフトウェアです。特に、プログラミング言語HSP（Hot Soup Processor）で3Dゲームを開発する際に、その利便性から多くの開発者に利用されていました。

3DACEの特徴

3DACEの最大の特徴は、HSPで使用される独自の3Dモデル形式であるMX形式にネイティブに対応している点です。これにより、3DACEで作成したモデルをHSPのプログラムで容易に読み込み、ゲーム内で利用することが可能でした。

一般的な3Dモデリングソフトウェアとは異なり、3DACEはより軽量でシンプルな操作性が特徴です。複雑な3Dモデルを作成するというよりは、ゲーム開発に必要な基本的な3Dオブジェクトを素早く作成することに特化しています。そのため、モデリング初心者や、HSPで手軽に3Dゲームを開発したいと考えているユーザーにとって非常に使いやすいツールでした。

HSPとの連携

HSPは、初心者でも比較的容易にゲームやツールを開発できるプログラミング言語として知られています。HSPで3Dゲームを開発する場合、通常は3Dモデルを別途作成し、それをHSPのプログラム内で読み込む必要があります。3DACEは、この3Dモデル作成プロセスを簡略化し、HSP開発者の負担を軽減する役割を果たしました。

MX形式に対応していることで、3DACEで作成したモデルをHSPの命令一つで簡単にロードできます。これにより、3Dオブジェクトの表示、テクスチャの設定、アニメーションなど、3Dゲーム開発に必要な機能をHSPのプログラム内で実装することが容易になりました。

他の3Dモデリングソフトウェアとの比較

3DACEは、そのシンプルさとHSPとの親和性の高さから、特定のニーズに特化したソフトウェアとして利用されてきました。一般的な3DモデリングソフトウェアであるBlenderやMaya、3ds Maxなどと比較すると、機能面では劣りますが、HSPユーザーにとってはなくてはならないツールでした。

3DACEは、他の高機能なモデリングソフトウェアのように、複雑な形状のモデリングや高度なテクスチャ編集には適していません。しかし、ゲーム開発における基本的なモデルを作成する分には十分であり、特にHSPで簡単な3Dゲームを開発する際には、その手軽さが大きな利点となります。

3DACEの現状と今後

近年では、より高機能で多様なプラットフォームに対応したゲーム開発エンジンが普及しており、HSPでゲームを開発するユーザーは減少傾向にあります。そのため、3DACEの利用頻度も以前よりは少なくなっています。

しかし、3DACEはHSPを使用したゲーム開発の歴史において、重要な役割を果たしたツールの一つです。現在でも、過去のHSP製ゲームを解析したり、HSPで簡単な3Dモデルを扱う際に利用されることがあります。

関連ソフトウェア

3DACEと関連性の高いソフトウェアとしては、以下のようなものがあります。

Easy3D：HSPで3D表示を行うためのライブラリ。3DACEで作成したモデルをHSPで表示する際に利用されます。
Metasequoia：多角形モデリングツール。3DACEと同様に、3Dモデルを作成するために使用されますが、より高機能で複雑なモデリングが可能です。
* RokDeBone：3Dモデルにボーンを設定し、アニメーションさせるためのツール。3DACEで作成したモデルをアニメーションさせる際に利用されることがあります。

まとめ

3DACEは、HSPによる3Dゲーム開発を支えた国産の3Dポリゴンモデリングソフトウェアです。MX形式への対応やシンプルな操作性が特徴で、HSP開発者にとって不可欠なツールでした。現在ではより高機能なツールが主流となっていますが、HSPコミュニティにおいては、その存在は今もなお記憶されています。

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