3DOのゲームタイトル一覧

3DOは、1990年代にアメリカのThe 3DO Companyが提唱した32ビットマルチメディア端末の規格です。本記事では、3DOに対応したゲームソフトを、発売順に詳しく紹介します。

発売されたソフトの変遷

3DO社を設立したトリップ・ホーキンスがエレクトロニック・アーツ（EA）の創業者でもあったため、EAは早い段階で3DOに参加しました。1993年にはアメリカで3DO対応機種が発売され、一部の作品は日本にも進出しました。

しかし、先行発売された北米では、700ドルという高価格とソフトのラインナップ不足がネックとなり、1994年3月までの実売は3万台にとどまりました。日本での発売後も、値下げの効果は限定的でした。

日本では、1994年3月20日に松下電器産業から「3DO REAL」が、同年10月1日には三洋電機から「3DO TRY」が発売されました。最初期の作品として、「3DO REAL」と同時発売されたマイクロキャビンの『ザ・ライフステージ』は、自分の建てたい家を自由にデザインし、その中を歩き回れるという、当時としては画期的な作品でした。これは、現代でいうバーチャル住宅展示場のようなもので、マルチメディアへの関心の高まりを反映していました。他にも、『ゴルフ場マルチメディア新書裾野カンツリー倶楽部編』のようなデータベースソフトや、『ナオコとヒデ坊』シリーズのような教育用ソフトも登場しました。実写映像を取り入れた『けろけろけろっぴとおりがみのたびびと』も話題を呼びました。

飯野賢治は3DO向けに様々な作品を発表し、特に『Dの食卓』(1995年4月)は、当時としては珍しかった3DCGのムービーを多用し、映画的な演出が評価され、マルチメディアグランプリ'95で通商産業大臣賞を受賞しました。また、『ポリスノーツ』や『スーパーストリートファイターII X』といった移植版も人気を集めました。

一方、明確なプラットフォームホルダーが存在しなかったため、表現規制が緩く、『THE 野球拳 SPECIAL』のような成人向け作品も多く見られました。『ウェイ・オブ・ザ・ウォリアー』のように過激な暴力表現を含む作品や、『ウルフェンシュタイン3D』のように他機種版では削除された要素が復活した作品もありました。ただし、欧米の作品が多く、日本の子どもが楽しめるソフトが少ないという意見もありました。ハードの価格の高さや、ソフトのラインナップ不足、そしてゲームメーカーではない松下電器産業がプロモーションを担当したことなども、問題点として指摘されました。

その後、3DOは1994年後半に登場したセガサターンやPlayStationに押され、衰退していきました。1995年には後継規格であるM2が松下電器産業に売却されましたが、後継機種は発売されず、日本では1996年6月28日に発売された『井出洋介名人の新実戦麻雀』を最後に、ソフトの供給が終了しました。

3DO用ソフトの中には、『Dの食卓』のように同世代の競合機に移植されたものもありました。また、性描写を含む作品の一部は、成人向けに「X指定」を設けていたセガサターンにも供給されました。

発売時の製品コードには、主に三洋電機販売の「IMP」と松下電器産業販売の「FZ」の2種類がありました。例えば、『Dの食卓』はIMP-SA0701、『アローン・イン・ザ・ダーク』はFZ-SJ2951、『スーパーストリートファイターII X』はFZ-SJ3851です。その他、エレクトロニック・アーツの「E3D」、ポニーキャニオンの「PCRA」、エレクトロニック・アーツ・ビクターの「I3D」、セタの「S」などのコードも存在しました。

基本的に、三洋電機または松下電器産業のカタログに掲載され、それぞれの流通経路で販売されました。ただし、Eレーティングのソフトは掲載されても、AOや16レーティングのソフトは基本的に掲載されませんでした。また、三洋電機のカタログには『Dの食卓』が掲載されていても、松下電器産業のカタログには掲載されていないなど、製品コードによって取り扱い流通経路が異なっていました。そのため、三洋電機系列の店舗では松下電器産業の商品が、ナショナル・パナソニックショップでは三洋電機の商品が手に入りにくいといった問題も発生しました。

発売されたタイトル

本記事の「発売されたタイトル一覧表」では、合計309のゲームタイトルを発売日・発売元とともに掲載しています。「地域ごとの発売年一覧表」では、1993年から1996年に発売されたゲームタイトルの数を地域別・年別にまとめています。

非売品

発売されなかったタイトル

もう一度検索