3DO

3DOとは

3DO（スリーディーオー）は、元々アメリカに存在したゲーム開発企業であるThe 3DO Companyと、同社が提唱したマルチメディア端末規格、さらにその規格に基づくゲーム機である3DO Interactive Multiplayerの3つを指す言葉です。本稿ではこれらの内容を詳しく述べます。

The 3DO Company

The 3DO Companyは、1990年にエレクトロニック・アーツ（EA）の創業者トリップ・ホーキンスによって設立されました。当初はSMSGという名称で、3次元（3D）とオーディオ（Audio）、ビデオ（Video）の頭文字を組み合わせて「3DO」と名付けられました。1993年には32ビットマルチメディア端末の規格「3DO」を発表し、マルチメディア時代の先駆けを宣言しました。

3DO Companyはハードウェアの製造を行わず、ライセンスをもとに他の電機メーカーによってハードがリリースされる方式を採用し、ロイヤリティ収入でビジネスを展開しました。しかし、発表された3DO機器の高価さとサードパーティソフトの不足が重なり、市場でのシェアを競合に奪われ、業績は低迷しました。

特に1995年末に、任天堂の次世代機NINTENDO64の発売を前にして、同社はハード事業から撤退し、他プラットフォーム向けのゲームソフトにシフトしました。2003年には連邦倒産法第11章を申請し、その結果、いくつかのゲームタイトルが他社に買収されて続編が作られることになりました。

主なゲームタイトル

The 3DO Companyが開発した代表的なゲームには、『突撃!アーミーマン 史上最小の作戦』『マイト・アンド・マジックシリーズ』『Meridian 59』『Cubix Robots for Everyone』などがあります。日本においても同社の洋ゲーが多くの支持を受け、特にエレクトロニック・アーツ日本法人が関わったタイトルが人気でした。

3DOシステムの展開と評価

1994年に日本では松下電器が3DO規格の機器「3DO REAL」を発売しました。この機器は当時非常に革新的でしたが、高額な価格設定が普及を妨げました。発売当初は人気があったものの、競合のセガやソニーから新たなマシンが出ると、段々と市場から姿を消してしまいました。

また、1996年には松下電器が次世代機「Panasonic M2」のプロモーションを開始したものの、最終的には展開を断念し、ゲーム事業から撤退することになりました。こうした経緯から、3DOはゲーム技術の進化の中で早々に消えていく運命を辿ることとなります。

ハードウェア仕様とマルチメディア機能

3DO REAL (FZ-1)は32ビットのRISCプロセッサを搭載し、メインメモリは2MBで、解像度は640x480であり、多様なカラー表現が可能でした。特にCD-ROMドライブを搭載し、倍速でのデータ処理が優れていました。ただし、ビデオCDの再生には追加のアダプターが必要であり、ユーザーにとっては不便な部分があったのも事実です。

まとめ

3DOはその時代においては革新的なマルチメディア機でしたが、競争の激しいゲーム市場において商業的には成功しませんでした。その後のゲーム開発や企業の展開に大きな影響を与える存在となった一方で、消えゆく道を選んだことがその教訓の一つと言えるでしょう。ゲーム業界における3DOの歴史は、失敗から学ぶ重要な要素を提供しています。

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