60式自走107mm迫撃砲

60式自走107mm迫撃砲の概要

60式自走107mm迫撃砲は、陸上自衛隊における自走迫撃砲の一種で、60式装甲車を基盤として開発されました。この兵器は、陸上での火砲の機械化を進めるための重要な装備であり、国産の三菱重工業と小松製作所が製造に関与しています。この迫撃砲は、車体後部に107mmの迫撃砲を搭載しており、射撃の際には車体後上面のハッチを開くことで行われます。

設計の特長

本装置は、60式装甲車の試作型SU-II型を改良し、107mm迫撃砲を搭載したモデルです。外観上は、同じベースの60式自走81mm迫撃砲とは異なり、車体後部の形状や機関銃マウントの有無で容易に区別できます。「SX」という名称で開発された本装置は、81mm自走迫撃砲（SV）と同時並行で進められました。

初期の試作車両においては、砲を車体外に移動させて安定した射撃を実現するための機構が備わっていましたが、開発が進むにつれて設計が変更され、車内で射撃することが基本となりました。必要に応じて迫撃砲を地面に降ろすことができる構造となっており、その際には安定性を確保するための底板と二脚が装備されています。

配備と運用

60式自走107mm迫撃砲は、その先進性にもかかわらず、高価なため生産数は限られていました。陸上自衛隊では、主に北部方面隊内の4つの普通科連隊に18両が配備され、部隊数は制限されました。1990年代の後半に入ると、その老朽化により後継兵器である96式自走120mm迫撃砲への更新が進められ、全車が年々退役していきました。

過去の配備状況

第3普通科連隊

1994年ごろに全車が120mm迫撃砲 RTに置き換えられる形で退役しました。

第11普通科連隊

2002年には96式自走120mm迫撃砲が完全に配備されたことに伴い、全車が退役。実際には2000年頃には運用が終了していましたが、名目上は予備火器として残っていました。

第23普通科連隊

この連隊は部隊の廃止に伴い、装備車両を第3普通科連隊や第11普通科連隊に移転しました。

第24普通科連隊

西部方面隊に移動した際、装備されていた車両は第3普通科連隊に転移されました。

以上のように、60式自走107mm迫撃砲は短期間ながらも陸上自衛隊の運用に寄与し、その後の自走迫撃砲の開発に寄与する重要な役割を果たしました。

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