7セグメントディスプレイ

7セグメントディスプレイとは

7セグメントディスプレイは、7つの発光部（セグメント）を組み合わせて数字や文字を表示する表示装置です。電卓、デジタル時計、家電製品など、身近な機器で広く利用されています。

7セグメントディスプレイの構造

7セグメントディスプレイは、名前の通り7つのセグメントで構成されています。各セグメントは独立して点灯・消灯させることができ、これらの組み合わせによって0から9までの数字や、一部のアルファベットを表示できます。

一般的な配置では、6つのセグメントが長方形の外枠を構成し、残りの1つが中央を横切っています。視認性を高めるために、斜体で配置されていることが多いです。また、小数点表示用の8番目のセグメントを持つものもあります。

多様な字形

数字の6、7、9には複数の字形が存在します。例えば、数字の6ではセグメントAが点灯する場合と消灯する場合があります。また、数字の1も表示位置によって見やすさを考慮し、FEの点灯で表すことがあります。

7セグメントディスプレイの種類

7セグメントディスプレイ以外にも、より多くのセグメントを持つ14セグメントディスプレイや16セグメントディスプレイが存在します。これらのディスプレイは、英数字をより明確に表示できます。しかし、近年ではドットマトリクスディスプレイが普及し、多用な表現ができるようになりました。

7セグメントディスプレイの応用

7セグメントディスプレイは、数値を表示するだけで十分な用途で広く利用されています。例えば、電卓、デジタル時計、家電製品の数字表示部、自動販売機の投入金額表示などが挙げられます。シンプルな構造で視認性が高く、低コストで製造できるため、これらの用途に最適です。

実装

現在では、LEDを使用した7セグメントディスプレイが主流です。その他、LCD、冷陰極放電管、蛍光表示管、白熱フィラメントなどを使用したものも存在します。ガソリンスタンドの価格表示などでは、板を組み合わせて7セグメントを表現するベーン・ディスプレイが用いられることもあります。

LEDを使用した7セグメントディスプレイでは、端子数を減らすためにアノードコモンやカソードコモンと呼ばれる方式が採用されています。複数桁の表示を行う場合、マルチプレクサを使用して表示を制御するICの数を削減することがあります。

歴史

7セグメントディスプレイの特許は1908年に出願されましたが、広く普及したのはLEDやLCDが一般化した1970年代以降です。それ以前は、ニキシー管が数字表示に用いられていました。アポロ計画で使用されたアポロ誘導コンピュータのDSKYにも、7セグメントディスプレイが使用されていました。

数字以外の表示

電卓では、マイナス記号やエラーを表す「E」などが表示されることがあります。関数電卓の16進モードでは、「A」から「F」までの文字が表示されます。また、CDプレーヤーなどでは、「no disc」のような短いメッセージを表示するために7セグメントディスプレイが使用されることがあります。

電卓の表示を逆さまにすると、特定の数字の組み合わせがアルファベットの単語として読めることはよく知られています。

より多くのセグメントを持つディスプレイ

7セグメントディスプレイの他にも、8セグメント、9セグメント、14セグメント、16セグメントディスプレイが存在します。これらのディスプレイは、より多くの文字や記号を表示できます。

8セグメントディスプレイ: 7セグメントディスプレイのFとGを繋げ、中央に2本の縦棒を追加したものです。
9セグメントディスプレイ: 7セグメントディスプレイの中央に2本の縦棒を追加したものです。
14セグメントディスプレイ: セグメント数を14個に増やし、ラテン文字をより確実に表示できるようにしたものです。
16セグメントディスプレイ: セグメント数を16個に増やし、14セグメントディスプレイの上下の水平なセグメントをさらに2分割したものです。

7セグメントディスプレイの利点

7セグメントディスプレイは、ドットマトリクスディスプレイに比べて部品数が少なく、消費電力が低く、駆動回路規模が小さいという利点があります。また、適切な形状のセグメントを使用すれば、ドットマトリクスよりも読みやすい字形を表示できます。

まとめ

7セグメントディスプレイは、シンプルな構造で視認性が高く、低コストで製造できるため、様々な用途で広く利用されています。近年ではドットマトリクスディスプレイが普及していますが、7セグメントディスプレイは依然として重要な表示装置です。

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