8番出口 (映画)

映画『8番出口』の概要

『8番出口』（はちばんでぐち）は、日本の映画で、2025年8月29日に公開されました。監督を務めたのは川村元気で、主演は二宮和也が務めています。公開初日からIMAXでの上映が行われ、その後はMX4D・4DX・ScreenX・ULTRA 4DX・Dolby Cinemaといったラージフォーマットでの拡大上映も開始されました。

この映画は、KOTAKE CREATE（コタケクリエイト）が開発した同名のゲームソフトの実写化であり、原作には明確なストーリーは存在しません。しかし映画版では、主演の二宮が演じる「迷う男」が、駅構内のような地下通路で迷子になり、異常を発見した際に引き返すというルールのもと、出口である「8番出口」を目指す姿が描かれています。

2025年5月19日には第78回カンヌ国際映画祭でミッドナイト・スクリーニングが行われ、ポスターデザインのコンペティション「Prix Luciole」では最優秀賞を受賞しました。

あらすじ

映画はプロローグから始まります。迷う男が地下鉄に乗り込むと、泣き叫ぶ赤ん坊とその母親が暴力的な男性によって恐れられている光景を目撃します。しかし、彼は視線をそらし何もせずに地下鉄を降ります。その後、彼は恋人からの電話を受け、妊娠が発覚したという話を聞かされますが、混乱し何も決められない状況に置かれます。

迷う男は通路で異常に気が付くようになり、何度も同じ通路を歩くことで奇妙なループに気づきます。「異変を見逃さないこと」「異変を見つけたら引き返すこと」等、通路にはルールが存在します。彼は異常を発見しながら8番出口を目指すものの、心の葛藤に苦しみ、電話を通じて自らの不安を吐露します。

時間が戻り、前の場面に再び登場する「歩く男」は、迷う男と同様に地下通路に囚われています。彼は無言の少年を伴いながら8番出口を目指しますが、途中で現れる女子高生風の女性もまた、彼らが直面する異常の一部であることに気づきます。恐怖に駆られ、進むこともままならない中、彼は少年のことを気遣いながらも混乱を極めます。

最終的に迷う男と少年は心を通わせながらも、流される濁流に飲み込まれ、彼らの脳裏には過去の記憶が甦ります。少年はやがて番号が変わる場所を見つけ、2人は再び8番出口へと向かいます。迷う男が最後にたどり着く場所は、地下の階段で構成されており、通常の地下鉄駅と繋がっています。

キャストと制作陣

主演の二宮和也は「迷う男」を演じており、他にも河内大和（歩く男）、浅沼成（少年）、花瀬琴音（女子高生風の女性）、小松菜奈（ある女）といったキャストが参加しています。

この映画の制作には、独自の映像表現に挑んだ川村元気監督が関わっており、実際に空間に基づいた物語作りが行われました。通常の映画とは異なり、美術に基づいたキャラクター配置が革新的な点として挙げられます。また、物語は異変を孕みながらも進行していく構造を持っています。

受賞とプロモーション

公開前の準備として、2024年12月27日には映画の発表が行われ、SNS上では話題を呼びました。公開初日には映画と関連する楽曲も発表され、特に中田ヤスタカが手掛けたコラボレーションソングが注目されました。また、社会的な影響も考慮して、特定の場面については注意喚起が行われています。

このように『8番出口』は、様々な要素が絡み合い、単なるゲームの実写化以上の深いメッセージを持つ映画となっています。

もう一度検索