92式手槍

92式手槍（QSZ-92）：中国人民解放軍の制式拳銃

92式手槍（QSZ-92）は、中国兵器工業集団（ノリンコ）が開発した半自動拳銃です。中国語で「手槍」は拳銃を意味します。1990年代後半から中国人民解放軍の一部に配備が開始され、2001年に西側諸国で公開されました。

概要

92式手槍の開発は1994年に始まりました。ノリンコが開発した拳銃として初めてポリマーフレームを採用し、軽量化と耐久性の向上を実現しています。作動方式はロータリーバレル式ショートリコイルを採用しており、これはベレッタM8000やPx4と同様の方式で、反動が少ないのが特徴です。外観はH&K USPに似ています。撃発機構はシングルアクションとダブルアクションの両方に対応しており、セーフティレバーは左右両側から操作可能なアンビ仕様で、デコッキングレバーとしても機能します。

バリエーション

92式手槍には、以下の3つのバリエーションがあります。

QSZ-92-9
使用弾薬：9x19mm DAP92弾、9x19mmパラベラム弾
装弾数：15+1発
9x19mm DAP92弾は、9x19mmパラベラム弾と同サイズながら、弾芯にスチールコアを使用し、貫通力を向上させています。9mmパラベラム弾も使用可能です。
QSZ-92-5.8
使用弾薬：5.8x21mm DAP92弾
装弾数：20+1発
5.8x21mm DAP92弾は、5.7x28mm弾や4.6x30mm弾と同様に、対ボディアーマー貫通を目的として開発された弾薬です。05式軽型衝鋒槍（QCQ-05）というPDW（個人防衛火器）にも採用されています。
NP42
使用弾薬：9x19mm DAP92弾、9x19mmパラベラム弾
装弾数：15+1発
民間輸出バージョンで、アメリカ国内の基準に適合するように再設計されたモデルです。耐久性と加工精度が向上しており、グリップにはノリンコのマークが入っています。

配備状況

QSZ-92-5.8は、中国国内で人民解放軍特殊部隊や人民武装警察部隊に優先的に支給されているとされています。QSZ-92-9は人民解放軍の一部部隊に配備されており、将来的には54式手槍と置き換えられる予定です。また、バングラデシュ軍も54式手槍の後継としてQSZ-92-9（Type 92拳銃）を採用しています。

登場作品

92式手槍は、以下の作品に登場します。

映画
『ウルフ・オブ・ウォー ネイビー・シールズ傭兵部隊 vs PLA特殊部隊』
ゲーム
『カウンターストライクオンライン2』
『バトルフィールドシリーズ』
『BF2』：CHINAの全兵科で使用可能（特殊兵と狙撃兵はサプレッサー装着）
『BF4』：QSZ-92が登場
『レインボーシックス シージ』：特別任務連の拳銃「Q-929」として登場
* 『ドールズフロントライン』：星3戦術人形「92式」として登場

まとめ

92式手槍は、中国人民解放軍の制式拳銃として、様々なバリエーションが存在します。今後、中国軍の装備更新とともに、その活躍の場を広げていくことが予想されます。

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