9x18mmマカロフ弾

9x18mmマカロフ弾

9x18mmマカロフ弾（9x18mm PM）は、ソビエト連邦で開発された拳銃および短機関銃用の弾薬です。旧東側諸国において、7.62x25mmトカレフ弾の後継として広く採用され、西側諸国の9x19mmパラベラム弾に相当する地位を確立しました。

概要

開発の経緯として、第二次世界大戦中にドイツで開発された9mmウルトラ弾（9×18mm）の資料をソビエト軍が鹵獲し、それを基に開発されたとされています。9mmウルトラ弾は、ストレートブローバック方式の自動拳銃で使用可能でありながら、.380ACP（9×17mm）弾よりも高い威力を持つように設計されました。ただし、9mmウルトラ弾はドイツ軍では採用されず、戦後の西ドイツ警察の一部で9mmポリス弾として採用されました。

9mmマカロフ弾の弾丸直径は9.220mmと、他の9mm弾（例えば9mmパラベラム弾の9.017mm）と比較してわずかに大きくなっています。運動エネルギーや弾道特性は、9mmパラベラム弾よりも.380ACP弾に近いとされています。

SAAMI（米国における銃器・弾薬メーカーの協会）は、マカロフ弾の発射圧に関する公式な仕様を定めていませんが、実験によれば約140MPa (20,000psi) 程度と測定されています。これは、9mmパラベラム弾の約240MPa (35,00psi) と比較すると低い数値です。そのため、発射時のエネルギーは劣りますが、ストレートブローバック方式の銃でも使用できるため、ショートリコイルなどのロッキングメカニズムを必要とするパラベラム弾を使用する銃器よりも、設計を簡素化できるという利点があります。

別名

9mm マカロフ
9x18mm
9x18mm PM
9mm マック (Mak)

使用銃器

拳銃

マカロフ PM （ソビエト連邦）
スチェッキンAPS （ソビエト連邦）
MP448 スキッフ (ロシア)
RCA TKB0216 (ロシア)
KBP R92KS (ロシア)
フォート12（ウクライナ）
ラドムP-64 （ポーランド）
ラドムP-83 バナド （ポーランド）
FEG PA-63 （ハンガリー）
Vz.82 （チェコスロバキア）
Cz.83 （チェコスロバキア）
シュマイザー AE99-09 (ドイツ)
スター ファイアスター（スペイン）

短機関銃

OTs-02 （ソビエト連邦）
PP-90 （ロシア）
PP-91 ケダール （ロシア）
PP-93 （ロシア）
OTs-33 （ロシア）
PP-19 ビゾン （ロシア）
PM-63 RAK （ポーランド）
ラドムPM-84 （ポーランド）
シプカ（ブルガリア）
Vz.65 スコーピオン （チェコスロバキア）

関連項目

7.62x25mmトカレフ弾
9x19mmパラベラム弾
.380ACP弾

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