9x21mm IMI弾

9x21mm IMI弾

9x21mm IMI弾は、イスラエル・ミリタリー・インダストリーズ社 (IMI) が開発した、民間市場向けの拳銃弾です。9x19mmパラベラム弾などの弾薬が軍用として扱われ、民間での所持が制限されている国（主にイタリアなど）を主なターゲットとして開発されました。

概要

9x21mm弾は、広く普及している9x19mmパラベラム弾をベースに設計されています。薬莢の長さが19mmから21mmに延長されていますが、弾丸が薬莢に深く埋め込まれているため、全長はパラベラム弾とほぼ同じです。そのため、初速やエネルギーなどの性能面でも、パラベラム弾と大きな差はありません。

この弾薬はリムレス弾であり、USPSAやIPSCといった射撃競技で好んで使用される傾向があります。リム付きの弾薬は、ダブルカラムマガジンに装填した場合に弾薬同士の間に隙間が生じ、作動不良の原因となることがあります。また、銃の品質によっては弾詰まりを引き起こす可能性もあります。この用途においては、.38スーパー弾をリムレス化した.38スーパー・オート弾がアメリカ国内で一定のシェアを持っていますが、その他の国では9x21mm IMI弾が現在も頻繁に使用されています。

9x21mmという同じ寸法を持つ弾薬としては、.357SIG弾も存在します。しかし、.357SIG弾は.40S&W弾をネックダウン（口径を絞る）して作られた弾薬であり、9x21mm IMI弾とは設計が異なります。また、ロシア連邦保安庁が採用している9x21mmギュルザ弾も同寸法ですが、これもIMI弾とは別に開発されたものです。

寸法

9x21mm弾の各部の寸法は以下の通りです。

薬莢容積: 1.01ml
ライフリング: 転度254mm
溝の数: 4
内径 (溝の上部): 8.79mm
内径 (底部): 9.03mm
溝と溝の間の幅: 3.80mm

雷管はスモール・ピストル型が使用されます。

民間人の安全な銃器の使用を保障する国際機関であるC.I.P. (Commission Internationale Permanente Pour L'Epreuve Des Armes A Feu Portative) のガイドラインによると、9x21mm弾の最大発射圧力は234MPaです。C.I.P.の加盟国で銃器・弾薬を市販するには、この数値の1.3倍の耐圧性を持たせることが義務付けられています。

使用銃

9x21mm IMI弾を使用する主な銃器は以下の通りです。

拳銃

Arex Rex Zero 1
BUL M-5
Cz75
Cz110
FN ブローニング・ハイパワーDA
H&K VP70Z
Pardini GT9
Tanfoglio Force
アーセナルファイヤーアームズ ストライクワン
カラカル・ピストル
ベクターCP1
ベレッタ98
ベレッタ90-Two
ベレッタAPX
ベレッタPx4
ワルサーP5
ワルサーP99
ワルサーPPQ
ワルサーPDP

自動小銃・サブマシンガン

クリス ヴェクター
ベレッタCx4
UZI

関連項目

拳銃弾一覧
9x19mmパラベラム弾

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