A Y.M.O. FILM PROPAGANDA

映画『プロパガンダ』について

『プロパガンダ』（A Y.M.O. FILM PROPAGANDA）は、日本の音楽グループであるイエロー・マジック・オーケストラ（YMO）が主演した1984年の映画です。本作は、1983年12月に行われたYMOの散開コンサートを基に製作されており、コンサートのライヴ映像と新たに撮影された映画部分が組み合わされています。

あらすじ

物語は昭和駅に降り立った一人の少年から始まります。彼は寂れた町中でYMOのポスターを貼り続けますが、その道中、突然高い塀に遮られます。その壁の穴から覗く先には、荒涼とした冬の海岸にとてつもなく巨大なステージが現れ、まるで第三帝国時代の議事堂を彷彿とさせる風景が広がっています。夜の闇に包まれたそのステージで、少年はYMOの散開コンサートの夢を見ます。

キャスト

YMOのメンバーは細野晴臣、坂本龍一、高橋幸宏の3人が出演しており、少年役には和田求由、女性役には安珠玲永が起用されています。

音楽

本作には、代表的な楽曲として「PROPAGANDA」、「TONG POO」、そして「BEHIND THE MASK」等が挿入されており、音楽が物語を彩ります。また、未発表曲「M16」も含まれており、映画名義でしか聴くことができない貴重な楽曲です。

製作情報

映画の撮影は1984年1月に行われ、各地の美しい風景が登録されています。撮影は江の島水族館、千葉県鴨川のフラワーセンター、横浜の根岸競馬場など多岐にわたるロケ地で行われました。

特徴

興味深いことに、本作のセリフはあまりなく、登場人物間の対話はほとんど存在しません。女のナレーションや少年の独白が物語を紡ぎ、ライブの楽曲がBGMとして巧みに使われています。特に、クライマックスとなるライブセットの炎上シーンは、実際の1983年の日本武道館ライブから炎の演出が再現されており、リアリティを追求しています。

公開とその後

1984年4月5日に新宿シアターアプルで試写会が行われた後、全国各地で上映されました。DVDも2001年に発売され、2011年には再発が行われています。2013年には座・高円寺でドキュメンタリーフェスティバルの一環として上映され、監督の佐藤信氏が制作のエピソードを語るトークショーも行われました。

この映画は、音楽と映像が融合した独自のスタイルと、YMOの魅力を余すところなく伝える作品として、多くのファンに愛され続けています。

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