AK系アサルトライフルの銃剣

AK系アサルトライフルの銃剣

AK系アサルトライフルの銃剣とは、ソ連・ロシアで開発されたAKシリーズに採用されているナイフ型銃剣のことです。これらの銃剣は、ステンレススチール製のブレードを持ち、着剣時に刃が上向きになるのが特徴です。

概要

AKM用以降の銃剣は、多機能銃剣の元祖とも言える存在で、バックソーやワイヤーカッターなどの機能が搭載されています。このコンセプトは、後に開発された米軍のM9銃剣にも採用されました。また、ドイツのACKコンバットナイフも同様の形状と機能を持っています。AK系銃剣は、非常に柔らかい鋼材で作られており、切れ味は良くありませんが、欠けたり折れたりしにくいのが特徴です。それぞれの銃剣には、GRAU（ロケット砲兵総局）によるインデックス（登録番号）が付与されています。

ソ連の狙撃銃であるSVDにも着剣装置が搭載されており、AK用の銃剣を装着できます（ただし、一部のモデルを除く）。AK用銃剣は片刃で、着剣時に刃が上を向く構造となっています。

バリエーション

AK系銃剣には、いくつかのバリエーションが存在します。

56-Kh-212：AK III型用の銃剣。SVT-40の銃剣を改良したもので、1955-1959年にかけて製造されました。銃本体にラグがないため、銃剣の鍔にあるリングをマズルガードに、後端のリングをバレルに嵌合させて固定します。AKM以降の銃には装着できません。
6Kh3：AKM用の銃剣。MODEL59、AKM TypeIなどとも呼ばれます。1960-1964年に製造され、クリップポイント形状のブレードを持ちます。バックソーとワイヤーカッターが搭載されており、オレンジ色のベークライト製グリップが特徴です。
6Kh4：AKM/AK74用の銃剣。MODEL74、AKM TypeIIとも呼ばれます。1960年代後期から1983年まで製造され、6Kh3と多くの共通点がありますが、鞘の材質や着剣装置の形状が異なります。アフガニスタン侵攻やチェチェン紛争などでも使用されました。
6Kh5：AK74/AK74M/AK-12用銃剣。MODEL83とも呼ばれます。1983年から製造が開始され、スピアーポイントのブレードとポリマー製グリップ、プラスチック製の鞘が特徴です。ロシア軍の現用銃剣であり、AK74M用としては黒色のものが採用されています。
6Kh9-1：AK-12用の銃剣。KAMPO社によって製造され、ラトニク計画に基づいて開発されました。ワイヤーカッター機能や鋸刃は廃止されましたが、鞘単体でワイヤーカッターとして使用できるほか、シャープナーが備えられています。

ワイヤーカッターの使用方法

1. エッジを手前側にして、ブレードの穴を鞘の先端の金具にはめ込みます。
2. ブレードの背と金具の間に切断したいもの（ワイヤーなど）を通し、ハサミを使う要領で切断します。

ソ連・ロシア製以外の国のAK用銃剣

AKシリーズのアサルトライフルは世界各地で使用されており、AK用銃剣も同様です。ライセンス生産されたAKと同様に、一部の銃剣には独自の特徴が見られます。例えば、北朝鮮製の銃剣は56-Kh-212をクリップポイントにしたような形状をしています。東ドイツ製やポーランド製の6Kh4銃剣は、バックソーが省略されている場合があります。ブルガリア製の6Kh5は、刻印の違いを除いてソ連規格と同一です。

ドイツ連邦軍はAK用銃剣を装備していないため、H&K G36に着剣するには改造が必要です。

プラモデル

アリイが「1/1 COMBAT SETS AK74 BAYONETS」としてゴム刃のプラモデルを販売していました。元々はエルエス社が生産していたもので、現在は廃番となっています。このプラモデルは6Kh4に近い形状ですが、鞘は6Kh3のもので、ポーランドで生産されたものに酷似しています。

関連項目

M9 (銃剣) - 銃剣に多機能性を求めるという似たコンセプトを持つ。
スペツナズ・ナイフ
AK-47
AK-74
ドラグノフ[[狙撃銃]]

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