AMOS

AMOS（先進迫撃砲システム）とは

AMOS（Advanced Mortar System）は、フィンランドのパトリア社とスウェーデンのBAEヘグルンド社が共同で開発した迫撃砲システムです。このシステムは、従来の迫撃砲の概念を覆す、革新的な設計が特徴です。

主な特徴

二連装120mm滑腔砲: 口径120mmの滑腔砲を二連装で搭載し、高い発射速度を実現しています。後装式を採用し、自動装填装置と組み合わせることで、最大毎分16発という驚異的な発射速度を誇ります。これは、通常の迫撃砲の数倍にあたる数値であり、短時間での集中砲火が可能です。
直接照準射撃能力: 通常の迫撃砲は曲射弾道での運用を主としますが、AMOSは戦車砲のように直接照準射撃も可能です。これは、市街戦などの近接戦闘において、より柔軟な運用を可能にします。
高い射撃精度: 最新の射撃管制装置を搭載し、高い射撃精度を実現しています。これにより、目標への精密な攻撃が可能となり、誤射による被害を低減できます。
ステルス性: 試作当初は剥き出しであった砲身に、制式採用に向けて角張ったカバーが装着されました。これは、放射赤外線量の低減とステルス性の向上を目的としたものです。

搭載例

AMOSは、装輪装甲車や装軌車両に搭載して運用されることを想定しています。

パトリアAMV: パトリア社が開発した装輪装甲車「AMV」に搭載されたモデルは、フィンランド軍に制式採用されています。2003年に24両が発注され、2006年3月には試作型2両が運用を開始しました。
CV90: ヘグルンド社の装軌装甲車「CV90」に搭載されたモデルは、スウェーデン軍に採用され、2011年から配備が開始される予定でした。また、サウジアラビアが採用試験を実施中であり、ポーランドとノルウェーも関心を示しています。
舟艇への搭載: スウェーデン海軍は、AMOSを舟艇に搭載する計画も進めています。これにより、沿岸部での新たな戦術が生まれることが期待されています。

NEMO（新型効率的迫撃砲システム）

AMOSの技術を応用した、単装の無人迫撃砲システム「NEMO」も開発されました。NEMOは、全周旋回が可能で、遠隔操作による無人運用が可能です。このシステムは、従来の沿岸警備艇や揚陸艇に搭載されていた機関銃や自動擲弾銃に代わるものとして期待されています。

まとめ

AMOSは、高い発射速度、直接照準射撃能力、そして多様な搭載プラットフォームへの対応など、従来の迫撃砲の概念を覆す革新的なシステムです。その登場は、陸上戦や沿岸戦の様相を一変させる可能性を秘めています。

関連項目

迫撃砲
NEMO
2S9ノーナ-S 120mm自走砲

外部リンク

* Patria Hägglunds - AMOS

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