ANNニュースレーダー

ANNニュースレーダー：関東ローカルから全国ネットへ―15年間の軌跡

『ANNニュースレーダー』は、1972年10月2日から1987年10月16日までテレビ朝日系列（旧NETテレビ）で放送された、日本の夕方の顔ともいえるニュース番組でした。15年間にわたる放送期間において、関東ローカルからのスタートから全国ネットへの昇格、そして番組内容の変遷、キャスター陣の入れ替わりなど、数々の変化を遂げました。

第1期：関東ローカル時代（1972年10月～1975年3月）

当初は『夕方のANNニュース』から分離する形で、18時30分から18時40分の10分間、関東ローカル枠としてスタートしました。全国放送枠は18時40分から19時00分。その後、放送時間は変遷し、全国ニュース放送後の18時45分から18時55分、さらに18時50分から18時55分へと変更されました。この時代は、NETテレビのアナウンサーが日替わりで担当するスタイルでした。

第2期：全国ネットへの飛躍とジャーナリストキャスターの時代（1975年4月～1985年3月）

1975年3月31日、番組は全国ネット番組へと大きく発展しました。これに伴い、関東ローカル枠は『ANN首都圏ニュース』へと引き継がれます。全国ネット化を機に、番組は専任キャスター制を導入。初代キャスターには、NETアナウンサーの吉岡晋也氏が就任しました。その後、1976年度からは朝日新聞論説委員の小松錬平氏が月～金曜日のキャスターに、吉岡氏は週末を担当するようになりました。

この頃、TBSの『JNNニュースコープ』と同様に、ジャーナリスト出身のキャスターが番組を牽引するスタイルが確立されていきます。1977年10月には、テレビ朝日への社名変更後、月～木曜日は小松氏が、金曜日は横舘英雄アナウンサーが担当。さらに1978年10月からは、政治評論家で元毎日新聞記者の三宅久之氏が金曜と土曜のキャスターに加わり、1979年4月からは小松氏と三宅氏の2人メインキャスター制が定着しました。小松氏の『ANNニュースファイナル』出演時は、三宅氏と渥美克彦氏が担当する時期もありました。

日曜版は1979年4月、『朝日新聞テレビ夕刊』を吸収する形でスタートしました。土曜と『テレビ夕刊』を兼務していた吉岡氏が引き続き担当しました。しかし、「夕刊タモリ こちらデス」の枠移動に伴い、放送時間は10分に短縮されました。1983年4月からは放送開始時間が5分繰り上がりました。これにより、一部のANN系列局では、ローカルニュースに全国ニュースを内包した編成となりました。

45分ワイドニュース化と番組終了（1985年4月～1987年10月）

1985年4月1日、番組は45分ワイド番組へと拡大しました。小松氏と三宅氏に代わり、萩谷順氏（後に『ニュースステーション』のコメンテーター）が平日のキャスターに就任しました。放送は前半の18時25分までは関東ローカル、18時25分からは全国ネットという編成でした。

1986年9月29日からは、全国ニュースとローカルニュースの放送順序が入れ替わり、18時00分から18時25分が全国ニュース、その後がローカルニュースとなりました。週末は従来通りの編成が継続されました。この頃、一部系列局では、独自タイトルでローカルニュースに内包する形での放送が行われました。

1987年10月16日、『ANNニュースレーダー』は15年の歴史に幕を閉じました。後継番組として、月～金曜日は『ニュースシャトルANN』、土日は『ニュース＆スポーツANN』がスタートしました。関東ローカル枠は17時55分から18時00分へと縮小されました。

キャスター陣とネット局

番組は、様々なジャーナリストやアナウンサーをキャスターとして迎え入れ、時代の変化を反映したニュース報道を行ってきました。全国ネットへの拡大後、多くのANN系列局で放送されましたが、クロスネット局では放送されない場合もありました。福井放送は日曜版のみネット、青森放送は未放送でした。

まとめ

『ANNニュースレーダー』は、ローカルニュースから全国ネットへと発展し、ジャーナリストキャスターを起用するなど、時代の変化を反映させながら進化を遂げたニュース番組でした。15年間の放送を通じて、視聴者に夕方のニュース情報を届けてきました。番組の終了後も、その影響は後継番組や日本のニュース報道に受け継がれています。番組の歴史を振り返ることで、日本のテレビニュース史の一端を知ることができます。

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