AN/SPS-49

AN/SPS-49レーダーの詳細

AN/SPS-49は、アメリカのレイセオン社によって開発された2次元レーダーで、主にアメリカ海軍の艦船で対空捜索を目的として使用されています。このレーダーの開発は1965年に始まり、最初の試験は駆逐艦「ジャイアット」で行われました。その後、1975年にミサイル巡洋艦「デイル」に搭載されることで正式に採用されました。

このレーダーは、すべての回路がソリッドステート化される予定でしたが、送信機部分には従来のクライストロンが使われています。これはコストの問題と、既存のクライストロンが十分な性能を持っていたためです。アンテナはさらに改良が施され、コセカント2乗ビーム特性を持つ成形ビームアンテナが採用され、機械的に安定化されています。

バージョンと特徴

AN/SPS-49は多数のバージョンが開発され、各々異なる機能や改善が施されています。

• - AN/SPS-49(V)1: 基本型。初期の標準的な機能を持つ。
• - AN/SPS-49(V)2: 簡易型で、コヒーレンスサイドローブキャンセラを省いたモデル。オリバー・ハザード・ペリー級に搭載。
• - AN/SPS-49(V)3: レーダー画像処理装置が連接され、原子力ミサイル巡洋艦「ロングビーチ」に搭載。
• - AN/SPS-49(V)4: (V)2型を改良したもので、ペリー級に再搭載。
• - AN/SPS-49(V)5: 自動目標探知機能を追加した型で、NTU改修艦に搭載。
• - AN/SPS-49(V)6: 改良された冷却措置とともに二重シールドケーブルを備えたモデル、ミサイル巡洋艦「タイコンデロガ」に搭載。
• - AN/SPS-49(V)7: (V)6型の冷却措置を導入した型、タイコンデロガ級艦に搭載。
• - AN/SPS-49(V)8: イージス追尾改良キットを追加したバージョン。
• - AN/SPS-49(V)8 ANZ: サーブ 9LV-453戦術情報処理装置に対応した型、アンザック級艦に搭載。
• - AN/SPS-49(V)9 MPU: 中PRF改良が施された(V)5型。
• - AN/SPS-49A(V)1: 1990年代中盤に開発されたもので、目標毎や掃引毎の角速度判定が行われ、クラッター抑圧性能も向上しています。

搭載艦と影響

AN/SPS-49は主にアメリカ海軍の艦船に搭載され、特に「オリバー・ハザード・ペリー級ミサイルフリゲート」が初の大規模な採用例となりました。それ以降も多くの軍艦に搭載され、アメリカ国内外で使用されてきました。これにより、艦艇の防空能力は大きく向上しました。

このレーダーは、前任者のAN/SPS-40|AN_SPS-40の技術を引き継ぎつつ、常に改良を重ね、その結果として多様な搭載艦に適応する形で発展してきました。また、特殊な任務に対応するために様々な改造や新技術の導入も行われてきています。

以上のように、AN/SPS-49はアメリカ海軍における重要な対空捜索レーダーとして位置づけられ、時代の流れと共に進化してきた技術の結晶と言えるでしょう。

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