APバス

APバスは、1998年にNECのEWS4800およびUP4800シリーズに搭載された、RISC型MPU R4000シリーズとR4400シリーズ向けに開発された32ビットの高速バスです。このバス規格は、NECとソニーによって共同で策定され、両社のワークステーション（ソニーはNEWSワークステーション）に採用されました。

当時、ワークステーションの標準バスとして広く利用されていたVMEバスの後継として、APバスはより高速なデータ転送能力を提供することを目指して開発されました。その結果、APバスは国内のUNIXマシン市場において、約30%近くの高いシェアを獲得するに至りました。しかしながら、その後PCIバスが登場すると、その高い汎用性とコストパフォーマンスから、APバスは次第にPCIバスへと移行していきました。

規格

APバスの特徴の一つとして、通常は1つのスロットに1枚のボードを挿入しますが、1つのスロットを2つのハーフスロットに分割し、2枚のハーフボードを同時に使用できる点が挙げられます。これにより、限られたスペースを有効活用することが可能になりました。

ハーフスロットで動作するボードとしては、差動型のWide SCSIボード、SCSIボード、グラフィックアクセラレータボードなどが存在しました。これらのボードは、高速なデータ転送や画像処理能力を必要とする用途に利用されました。一方、フルスロットで動作するボードには、ギガイーサーボードなど、主に高速通信を目的としたボードがありました。

主な特徴

高速性: 32ビットアーキテクチャにより、高速なデータ転送を実現しました。
拡張性: ハーフスロットによる柔軟な拡張性を提供しました。
高信頼性: ワークステーションに求められる高信頼性を実現しました。
開発の背景: VMEバスに代わる高速バスのニーズに応えました。
採用の状況: NECとソニーのワークステーションに採用され、国内UNIXマシン市場で高いシェアを獲得しました。
衰退の要因: PCIバスの登場により、次第にその役目を終えました。

注釈・出典

この情報は、APバスが開発・普及した当時のコンピュータ業界の状況に基づいています。

関連項目

以下に、APバスに関連する他のバス規格を示します。

Cバス
98ローカルバス
PCI Express
Peripheral Component Interconnect (PCI)
Accelerated Graphics Port (AGP)
Extended Industry Standard Architecture (EISA)
Industry Standard Architecture (ISA)
Micro Channel Architecture (MCA)
VESA ローカルバス (VL バス)
XTバス
* VMEバス

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