ATIS

ATIS（Automatic Terminal Information Service）

ATISは、空港や飛行場に離着陸する航空機に必要な情報を提供する無線システムです。具体的には、気象情報や飛行場の状態などを地上から航空機へと送信し、離着陸をスムーズに行えるように支援します。この情報は、音声放送を通じて持続的に流され、特に航空交通管制の混雑緩和を図るため、利用されます。

ATISの概要

ATISは、主に航空交通が活発な空港で導入され、その内容には次のような情報が含まれます。

• - 空港名と情報識別符号（アルファベット）
• - 情報発信時刻（UTC形式）
• - 現在の運用中の計器進入方式や使用される滑走路
• - 風速と風向、視程（見通し距離）
• - 天候状況、雲の種類や状況、気温、露点温度及び高度計規正値
• - 整備工事や閉鎖情報などの特別情報

これらの情報は、通常30分または1時間ごとに更新されますが、急激な天候の変化や運用変更が生じた場合には、随時更新が行われます。新しい情報が発信される際は、AからZまでのアルファベットを順次付加し、各航空機は最新の情報を受信することが求められます。

放送の形式と内容

ATISの放送は英語で行われ、その中には録音された音声や合成音声が用いられます。日本では多くの空港で2003年以降、肉声から合成音声への移行が進んでいます。また、各国や地域によっては、現地語と英語で放送される場合もあります。

受信と報告

ATISは航空機の近くで受信することができ、パイロットは出発や到着の前に最新情報を取得し、その情報識別符号を管制官に報告します。これによって、管制官は必要な情報の伝達を省略することが可能となります。

例えば、東京国際空港のATIS放送例は次のようになります。

```
Tokyo International Airport information November, 0630. ILS Z 34 left approach and ILS Z runway 34 right approach.
Landing runway 34 left and 34 right, departure runway 34 right. Departure frequency 126.0.
Wind 320 degrees 10 knots. Visibility 20 kilometers, sky clear. Temperature 25, dewpoint 20. QNH 30.00 inches.
Advise you have information November.
```

この場合、放送内容には風向や風速、視程、気温及び天候の状況など、離着陸に必要な情報が含まれています。

ATISの利点

ATISの導入により、航空機は出発前に正確かつ迅速に必要な情報を入手でき、志向する滑走路や進入方式に基づいた計画を立てることが容易になります。特に混雑した空港では、複数の航空機が同時に情報を受信し、離着陸手続きを効率的に行うことができます。

また、ATISの存在は航空交通管制通信がスムーズになるための重要な要素であり、パイロットや管制官の負担を軽減します。ATISの情報は、パイロットの安全な飛行に欠かせない資料であり、航空業界における重要な役割を果たしています。

まとめ

ATISは、航空機の運航をスムーズに行うための欠かせない情報システムです。航空機が離着陸する際の気象情報や飛行場の状況を常に最新の状態で提供することで、安全で効率的な運航を支援します。

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