Academic Free License

Academic Free License（AFL）は、2002年にローレンス・E・ローゼンによって作成された、許容的なフリーソフトウェアライセンスです。ローゼンは当時、Open Source Initiative（OSI）の法務顧問を務めていました。AFLは、BSD[[ライセンス]]、MITライセンス、イリノイ大学/NCSAオープンソース[[ライセンス]]、Apacheライセンスといった他の著名なライセンスと同様に、ソフトウェアの自由な利用と改変を認めています。

AFLの特徴と目的

AFLの大きな特徴は、ライセンスされたソフトウェアをプロプライエタリソフトウェアに転用できる点です。つまり、AFLで配布されたソフトウェアを基に、独自のクローズドソースソフトウェアを開発・配布することが認められています。しかし、AFLは単に自由な利用を認めるだけでなく、他のライセンスが抱える問題点の解決を目指しています。具体的には以下の点が重視されています。

著作権の明確化: ライセンス対象となるソフトウェアとその著作権者を明示し、権利関係を明確にすること。これにより、利用者はどのソフトウェアがAFLの適用を受けているのかを容易に判断できます。
包括的な権利: ソフトウェアに関する全ての著作権を含むこと。これにより、著作権の管理がより簡潔になります。
特許権の包含: ソフトウェアに関する全ての特許権を含むこと。これにより、ソフトウェアの利用に伴う特許侵害のリスクを低減できます。
商標権の否認: ソフトウェアのライセンサーの商標に関する権利を一切認めないこと。これにより、商標権によるソフトウェアの利用制限を防ぎます。
ライセンサーの保証: ライセンサーが、ライセンスの適用対象となるソフトウェアの著作権を持つか、配布権限を保有していることを保証すること。

AFLのライセンスについて

AFL自体にも著作権がありますが、ライセンス本文に変更を加えない限り、誰でも自由にコピー・配布することができます。これにより、AFL自体の普及が促進されています。

AFLのバージョンと互換性

AFLにはいくつかのバージョンが存在します。バージョン1.2と2.1は、GNU General Public License（GPL）との互換性がありません。しかし、バージョン3.0については、エリック・レイモンドがGPL互換であると述べています。ただし、フリーソフトウェア財団はバージョン3.0に関して公式なコメントを発表していません。

OSIの見解

2006年頃、OSIのライセンス拡散委員会は、AFLを「他の有名なライセンス（特にApache License）を冗長にしたもの」と評価しました。これは、AFLが既存のライセンスと比べて特筆すべき利点が少ないという見解を示唆しています。

関連情報

フリーソフトウェア財団: GPLのライセンス条文の著作権者です。
Open Software License: ローレンス・E・ローゼンが作成した、AFLに類似した相補的なライセンスです。

外部リンク

Academic Free License バージョン1.2の本文
Academic Free License バージョン2.1の本文
Academic Free License バージョン3.0の本文
Allocation of the Risk、ローレンス・ローゼン (PDF) - Academic Free Licenseに関する考察
Academic Free License バージョン2.0の日本語訳 - Sourceforge.jp

これらの情報から、AFLはソフトウェアの自由な利用を促進しつつ、ライセンスに関する問題を解決しようとする意図を持って作成されたライセンスであることがわかります。

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