Adium

Adiumは、macOSで利用できるオープンソースのインスタントメッセンジャーアプリケーションです。libezv（Bonjour）、MGTwitterEngine（Twitter）、libpurple（その他のプロトコル）といったライブラリを基盤とし、多岐にわたるプロトコルをサポートしています。macOSのCocoa APIを用いて開発され、GNU General Public Licenseの下で配布されています。ただし、Adiumに組み込まれている各コンポーネントは、それぞれ異なるライセンス条件で提供されている点に注意が必要です。

歴史



Adiumの初期バージョンである「Adium 1.0」は、2001年9月にリリースされました。これは、当時大学生だったAdam Iser氏によって開発され、当初はAIMのみをサポートしていました。その後、バージョン番号の付け方は変遷を辿り、Adium 1.0のアップグレード版としてAdium 1.6.2cが登場しました。

その後、Adium開発チームは、マルチプロトコル対応を目指して、アプリケーションの完全な書き換えに着手しました。Pidgin（旧称Gaim）のlibpurpleライブラリを導入し、AIM以外のIMプロトコルもサポートするようになりました。その後は、ユーザーインターフェースの改善に重点が置かれました。これらの修正を施したバージョンは当初「Adium 2.0」としてリリースされる予定でしたが、最終的に「Adium X」と改名され、バージョン0.50としてリリースされました。これは、「1.0の半分程度の完成度」を意味していました。

インテルベースのMacに対応したUniversal Binary版の最初のバージョンは、Adium X 0.88でした。Adium X 0.89.1までリリースされた後、再び「Adium」という名称に戻り、2007年2月2日にAdium 1.0が正式にリリースされました。その後も頻繁にアップデートが繰り返されています。

Appleは、AdiumのXcodeによるビルドをMacのパフォーマンスを評価するベンチマークの一つとして利用しています。

プロトコル



Adiumは、以下のような多種多様なプロトコルをサポートしています。


プラグインとカスタマイズ



Adiumはプラグインアーキテクチャを採用しており、多くの機能がプラグインとして提供されています。例えば、ファイル転送機能、Growlサポート、Sparkleサポート、Off-the-Record Messagingライブラリなどがプラグインで提供されています。

また、Adiumは高度なカスタマイズが可能で、開発者が「Xtras」と呼ぶリソースを使用してカスタマイズできます。サードパーティ製のXtrasは数百種類も存在し、顔文字の見た目、Dockアイコン、コンタクトリストのスタイル、メッセージの表示スタイルなどを変更できます。サウンドセットも多数用意されています。さらに、AppleScriptを使用することで、特定のイベントをトリガーとした動作の自動化も可能です。

関連項目




外部リンク



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