Antergos

Antergos（旧名Cinnarch）は、Arch LinuxをベースとしたLinuxディストリビューションです。このディストリビューションは、ユーザーが様々なデスクトップ環境を選択できる柔軟性を持っていました。初期のデフォルト環境はGNOME 3でしたが、Cinnamon、MATE、KDE、Xfceなども利用可能でした。

歴史と開発

Antergosは、元々Cinnarchという名前で2012年7月にリリースされました。当初は、Linux Mintチームが開発したGNOME ShellのフォークであるCinnamonをデスクトップ環境として採用していました。しかし、2013年4月、CinnarchチームはCinnamonをArch Linuxのようにローリングリリースでリポジトリに維持するのが難しいと判断し、デフォルトのデスクトップ環境をGNOME 3.6に変更しました。この変更に伴い、ディストリビューションの名前もAntergosに変更され、2013年4月に新しい名前でリリースされました。

名前の変更に加えて、いくつかのデフォルト設定も変更されました。ファイルマネージャはNemoからNautilusへ、デスクトップマネージャはMDM（Mint Display Manager）からGDMへ、メッセージングクライアントはPidginからEmpathyへそれぞれ置き換えられました。2014年5月26日には、Numixプロジェクトと提携し、Numix-Squareアイコンと外部のNumix-Frostテーマが導入されました。さらに、2015年3月7日には、インストーラーに必要なコンポーネントのみを提供するAntergos Minimal ISOが提供開始されました。

残念ながら、開発者の時間不足により、Antergosの開発は2019年5月21日に終了しました。しかし、その精神はEndeavourOSに引き継がれ、2019年7月15日に後継ディストリビューションとしてリリースされました。

インストール

Antergosのインストールは、テキストベースのインストーラーとグラフィカルインストーラーであるCnchiの2種類の方法で行えました。Cnchiは、GNOMEデスクトップ環境内で起動しますが、インストール中にGNOME 3、Cinnamon、Mate、KDE、Xfce、Openboxの中からいずれかのデスクトップ環境を選択できます。インストールを開始する前にCnchiを自動的にアップデートするため、ネットワーク接続が必須です。

パッケージ管理

Antergosはローリングリリースモデルを採用しており、常に最新のソフトウェアが利用可能でした。パッケージ管理には、Arch Linuxの公式リポジトリとAURに加えて、Antergos独自のリポジトリも利用できました。ベースとなるシステムはArch Linuxと似ており、Pacmanベースのディストリビューションでした。パッケージ管理は、PacmanとPamac（Pacman用のGUIフロントエンド）を通じて行いました。デフォルトのオフィススイートは付属していませんでしたが、初期のCinnarchリリースから、LibreOfficeコンポーネントを簡単にダウンロードできる「LibreOffice Installer for Arch Linux」が提供されていました。

リリース

Cinnarchとしての最初のISOは2012年5月7日にリリースされ、Arch Linuxフォーラムでユーザーに告知されました。Antergosとしての最初のバージョンは2013年5月12日にリリースされました。

関連項目

Arch Linux
EndeavourOS

外部リンク

公式ウェブサイト
公式wiki
公式フォーラム
Antergos - DistroWatch

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