BM-14

BM-14（БМ-14）

BM-14はソ連によって開発された140mmの多連装ロケット砲で、第二次世界大戦中に赤軍が用いていたBM-8およびBM-13カチューシャの後継機という位置づけにあります。この兵器は、戦闘の現場で大きな火力を提供するために設計され、特に面制圧に優れた特性を持っています。

概要

BM-14のロケット弾は、16または17の発射器から発射され、最大で10kmの距離に届くことが可能です。弾頭の重量は約8kgであり、一般的な破砕性弾頭のほかに、化学兵器を充填した弾頭も扱える点が特長です。無誘導であるため、精密な攻撃には向きませんが、その大量発射による効果で敵陣に対して大きな圧力を生むことができます。

BM-14は、ソ連軍において1963年以降、新型のBM-21（122mm口径）に徐々に置き換えられていき、最終的には退役を迎えました。しかし、ソ連以外の国々では依然として利用されており、キューバやアルジェリアなどがBM-14を装備しています。特にアルジェリア内戦では、1993年以降にアルジェリア軍がBM-14を運用していたことが知られています。

また、BM-14は正規軍だけでなく、世界中の様々なゲリラ組織にも採用されてきました。レバノンのヒズボラやアフガニスタンのタリバン、イラクの武装組織の間でもBM-14やBM-21が使用されています。これにより、BM-14は単なる軍用兵器の域を超え、試行錯誤を支える一端を担っているといえます。

派生型

BM-14にはいくつかの派生型が存在し、それぞれ異なるプラットフォームに搭載されています。以下に主要なモデルを紹介します。

• - BM-14（8U32）: 16連装の発射機をZiS-151トラックに搭載した基本モデルで、1952年に制式化されました。BM-14-16とも称されています。
• - BM-14M（2B2）: 同じ発射機をZIL-157トラックに載せたバリエーションです。
• - BM-14MM（2B2R）: 最終型で、ZIL-131トラックに発射機を搭載したものです。
• - BM-14-17（8U35）: GAZ-63Aトラックに17連装発射機を搭載したモデルで、1959年に開発されました。この発射機は、シュメーリ型（1204号計画型）砲艇など、小型船舶の武装としても使用されました。
• - RPU-14（8U38）: 牽引型の16連装モデルで、D-44 85mm野砲の台車を基にしています。ロシアの空挺軍に採用されましたが、BM-21V グラートVによって置き換えられました。

結論

BM-14は、その多様な運用方法と火力の特性から、時代を超えて多くの国々や組織に利用され続けているロケット砲です。戦闘における火力支援の役割を担い、特に面制圧の能力において重要な役割を果たしてきました。

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