BMO-T

BMO-T：ロシア海軍の重装甲兵員輸送車

BMO-T（ロシア語: БМО-Т）は、ロシア海軍の歩兵部隊における火炎放射戦術のために特別に設計された重装甲兵員輸送車（APC）です。この車両は、主に火炎放射部隊がトーチカや要塞を攻撃する際に必要なサポートを提供する役割を担っています。BMO-Tは、2001年に制式化され、T-72戦車を基盤として開発されました。

火力と装備

BMO-Tは、内部に32本のRPOロケットランチャーを搭載しています。これにより、サーモバリック爆薬や焼夷弾を発射することが可能です。この火力により、敵の防御構築物を効果的に攻撃する能力を持ち合わせています。

防御性能

BMO-Tは、その防御力においても特筆すべき特徴を持っています。車両の正面装甲は、戦車と同様の複合装甲が使用され、側面は燃料タンクやエンジンルームを隔壁として利用し、さらに防御力を強化しています。また、オプションで爆発反応装甲を追加することも可能です。

内部は安全性を高めるために、ケブラーインナーによって部品の剥離を防止する設計がなされており、万が一の火災時には自動消火装置が作動します。さらに、NBC（核、生物、化学）防御装置も装備されており、様々な戦場環境に対応できる能力を持っています。

電子装備

戦場における生存性を向上させるために、BMO-Tにはシュトーラ（Штора）と呼ばれる光電磁撹乱システムが導入されています。このシステムは、敵のミサイルや火器からの攻撃に対して有効な防御策となります。また、902A発煙弾発射機も装備されており、自己防衛における選択肢を広げています。

関連兵器

BMO-Tは、ロシアの他の軍事装備とも関連があります。たとえば、T-55戦車の車体を流用して開発された歩兵戦闘車であるBTR-Tや、T-72戦車の車体を元にした火力支援車のBMP-Tなどがあります。これらの車両は、それぞれ異なる運用目的を持ちながらも、共通する設計思想と規格のもとで開発されています。

BMO-Tは、その多様な機能と高い防御能力により、ロシア海軍の戦術的役割を支える重要な存在であり、現代戦においてもその価値を免れません。

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