BMW・E90

BMW 3シリーズ（E90型）徹底解説：BMWを代表するベストセラーモデル

BMW 3シリーズの5代目モデルとして登場したE90型は、セダン、ツーリングワゴン、クーペ、カブリオレの4つのボディタイプを展開し、BMWの主力車種として高い人気を誇りました。このモデルでは、ボディサイズの拡大による後席空間の広さ、洗練されたエクステリアデザイン、そして環境性能への配慮など、多くの改良が加えられました。

エクステリアデザインとボディタイプ

E90型は、BMWデザイナーの永島穣司氏によってデザインされました。シャープでスポーティなエクステリアは、BMWらしい存在感を放ちます。セダン、ツーリングワゴン、クーペ、カブリオレと多彩なボディバリエーションを用意することで、ユーザーの多様なニーズに対応しました。クーペとカブリオレは、ドイツのミュンヘンまたはレーゲンスブルク工場で生産され、セダンは南アフリカのロスリン工場で生産されるなど、生産拠点はモデルによって異なりました。また、欧州市場向けには、スーパー2000規定のホモロゲーションモデルである320Siも限定生産されました。

エンジンとパフォーマンス

エンジンは、4気筒と6気筒ガソリンエンジンが用意され、地域によってはディーゼルターボエンジン搭載車も販売されました。6気筒モデルには、電子制御ステアリングであるアクティブ・ステアリングがオプション設定されました。エクステリアのキドニーグリルデザインは、4気筒と6気筒で異なり、4気筒はブラック、6気筒はクロームメッキの縦バーが使用されていました。また、ランフラットタイヤ（RFT）が標準装備となり、スペアタイヤは省略されました。

2008年のフェイスリフト

2008年秋にはフェイスリフトが実施され、エクステリアデザインが大幅に変更されました。キドニーグリルをワイド化し、エアインテークを拡大した新デザインのフロントバンパー、シャープさを増したボンネット、LED式ターンインジケーターを採用したヘッドライト、L型デザインを強調したLEDテールライトなどが採用されました。

特に日本市場向けには、アウタードアハンドルの専用設計により、全幅を15mmダウンした1800mmに設定。機械式立体駐車場への対応を考慮したこの設計変更は、日本市場への配慮を示すものです。そして、ユーザーが希望する場合には従来型のドアハンドルへの変更も可能としました。

インテリアと安全装備

インテリアでは、8.8インチワイドモニターを採用した新世代のナビゲーションシステムが標準装備され、iDriveシステムも最新型にアップデートされました。安全面も強化され、6つのエアバッグ、全席3点式ELRシートベルトとヘッドレスト、そしてアクティブ・ヘッドレストが標準装備となりました。アクティブ・ヘッドレストは、追突時のむち打ち症リスク軽減に貢献します。

環境性能への配慮

環境性能にも配慮しており、「エフィシェント・ダイナミクス」として、アイドリングストップシステムやブレーキ・エナジー・リジェネレーションを採用。環境負荷の低減に貢献しました。

まとめ

BMW 3シリーズ(E90型)は、スポーティな走行性能とラグジュアリーな室内空間、そして環境性能をバランス良く備えたモデルとして、BMWの販売台数を大きく伸ばすことに貢献しました。日本市場への細やかな配慮も高く評価できる点です。その人気は、BMW 3シリーズの歴史の中でも重要な位置を占めています。

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