BMW・X3

BMW X3：コンパクトSUVの進化の歴史

BMW X3は、同社が展開するスポーツ・アクティビティ・ビークル（SAV）シリーズの主力モデルとして、世界中で高い人気を誇るコンパクトSUVです。1999年に発売されたX5の成功を受け、3シリーズクラスのSUVとして2003年に初代モデルが登場しました。以来、3世代にわたる進化を経て、現在では洗練されたデザインと高度なテクノロジーを搭載したモデルとして市場をリードしています。本記事では、各世代のX3の特徴、日本での販売状況、主要なグレードなどを詳しく解説します。

初代 X3 (E83)：2004年 - 2011年

初代X3 (E83) は、3シリーズ(E46)のプラットフォームをベースに開発されました。X5を小型化したようなデザインが特徴的で、直列6気筒エンジンと電子制御式多板クラッチを用いた四輪駆動システム「xDrive」、ヒルディセントコントロールなどを搭載。滑らかなエンジン回転と高い走破性を両立させました。2006年にはフェイスリフトを行い、内外装のデザイン、パワートレイン、xDriveシステムなどが改良されました。日本市場ではガソリンモデルの2.5iと3.0iが販売され、5速ATが組み合わせられました。様々なオプションパッケージも用意され、顧客のニーズに応える柔軟性も持ち合わせていました。

2代目 X3 (F25)：2011年 - 2017年

2代目X3 (F25) では、フルモデルチェンジにより大幅な進化を遂げました。エクステリアは、直立したキドニーグリルや流麗なルーフラインにより、よりスポーティでエレガントなデザインに。インテリアは広々とした室内空間と上質な素材使いが特徴です。シャシーには新設計の5リンク式リアサスペンションとxDriveを採用し、操縦安定性と快適性の向上を実現。パワートレインは、直列4気筒ディーゼルエンジンと直列6気筒ガソリンエンジンが用意され、8速ATが組み合わせられました。日本市場では、直列6気筒ガソリンエンジンのxDrive28iとxDrive35iが当初発売され、後に直列4気筒エンジンのxDrive20iやディーゼルモデルのxDrive20dなども追加されました。M Sportパッケージなどのオプションも用意され、顧客の好みに合わせたカスタマイズが可能です。

3代目 X3 (G01)：2017年 - 2024年

3代目X3 (G01) は、先代とほぼ同じボディサイズながらホイールベースが延長され、よりバランスのとれたプロポーションを実現しました。特徴的なキドニーグリルや六角形のヘッドライト、フルLEDテールライトなど、存在感のあるエクステリアデザインが魅力です。インテリアはドライバーを重視した設計で、多くの収納スペースと、快適な空調システムが備わっています。先進の運転支援システム「ドライビング・アシスト・プラス」や、タッチスクリーン式のiDriveナビゲーションシステム、BMWコネクテッド・ドライブなど、先進技術を積極的に採用。パワートレインは、直列4気筒と直列6気筒のガソリン/ディーゼルエンジンが用意され、8速ATが組み合わせられます。日本市場では、「xDrive20i」「xDrive20d」が発売され、M Performanceモデル「M40d」や高性能モデル「X3 M」、「X3 M Competition」もラインナップに加わりました。さらに、プラグインハイブリッドモデル「xDrive30e」も登場しました。2021年には後期型が登場し、デザインの刷新、先進運転支援システムの強化、コネクティビティの向上などが行われています。2024年には生産終了となりました。

4代目 X3 (G45)：2024年 -

2024年登場の4代目X3 (G45) は、ボディサイズが拡大し、より力強いエクステリアデザインに進化しました。インテリアには、1シリーズ(F70)と同様のカーブドディスプレイを採用し、先進的なコックピットを実現しています。BMW OSはAndroidベースのID9となり、他社製アプリのインストールが可能に。先進運転支援システムも大幅に強化され、部分的な自動運転も可能な機能が搭載されました。パワートレインはガソリン、ディーゼル、PHEVが用意され、マイルドハイブリッドシステムも搭載されています。日本市場では、「20 xDrive」、「20d xDrive」、「M50 xDrive」の3種類が販売されています。

まとめ

BMW X3は、発売以来、常に進化を続け、時代のニーズに応えるモデルとして、市場において高い評価を獲得してきました。今後も、更なる進化と魅力的なモデルの登場が期待されます。

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