BOLDLY

BOLDLY株式会社（旧SBドライブ株式会社）について

BOLDLY株式会社は、ソフトバンクと先進モビリティ株式会社の合弁会社として、2016年に設立されました。先進モビリティは、東京大学生産技術研究所発のベンチャー企業であり、自動運転技術の研究開発を背景に持っています。BOLDLYは、この先進モビリティの技術力とソフトバンクの通信インフラ、ビッグデータ分析ノウハウを組み合わせ、自動運転技術を活用した様々なモビリティサービスの実現を目指しています。

事業概要

BOLDLYは、自動運転技術を活用したコミュニティモビリティ、物流・旅客運送事業などの社会実証・実用化に取り組んでいます。特に、バスやトラックなどの特定ルートを走行する車両の自動運転化に注力しており、運転手不足が深刻な地域や過疎化が進む地方自治体へのソリューション提供を目指しています。

導入技術

BOLDLYが導入している主な技術は以下の通りです。

Dispatcher: レベル4自動運転を支える遠隔運行管理システムです。大型二種免許を持つスタッフが、遠隔からバスの映像を監視し、リアルタイムで車両情報を把握できます。将来的には、1セットのDispatcherで複数台のバスを監視し、効率化を図ることを目指しています。
アバターテレポーテーション: SpiralMind社が開発した技術で、遠隔にいるオペレーターの表情をCGキャラクターに反映させ、バス車内のディスプレイに表示します。これにより、乗客はアバターを通じて温かみのあるサポートを受けることができます。

使用車両

BOLDLYは、実証実験やサービス提供において、以下の車両を使用しています。

ナビヤ・アルマ: フランスのベンチャー企業ナビヤが開発した自動運転専用の電気自動車です。GPSやLiDAR、カメラなどを使い、設定されたルートを自律走行できます。
日野・リエッセ: 中古バスを改造した車両で、初期の実証実験に用いられました。
日野・ポンチョ: 新車を改造した車両で、既存車両を改造することでコストを抑えています。ディーゼル車をベースにすることで、より高度な制御技術の開発を目指しています。

自動運転バスの公道定期運行に向けた取り組み

2020年1月、茨城県境町はBOLDLYの協力のもと、電気自動運転バスの定期運行を開始しました。境町では、ナビヤ・アルマ3台を導入し、5年間運行する予定です。当初はレベル2の自動運転として、車外オペレーターと車内ドライバー、保安要員を配置した3名体制で運用されますが、将来的にはレベル4相当の自動運転技術を導入し、ドライバーの業務負担を軽減する予定です。

導入と運用コスト

境町での自動運転バス導入事例では、5年間で5億2000万円の予算が計上されています。その内訳は、車両購入費が1億5000万円、BOLDLYによる初期設定費用が数千万円、Dispatcherの利用料が1800万円、そして車両維持費と人件費が含まれています。特に、保安要員の配置は人件費の大きな割合を占めており、将来的に運転手が保安要員を兼務することでコスト削減が期待されています。

沿革

BOLDLYは、設立以来、数多くの実証実験を重ね、自動運転技術の実用化に向けて着実に歩みを進めています。以下は主な沿革です。

2016年: ソフトバンクと先進モビリティが合弁会社設立に合意し、SBドライブ株式会社が設立。福岡県北九州市、鳥取県八頭町、長野県白馬村、静岡県浜松市など、複数の自治体と連携協定を締結し、実証実験を開始。
2017年: フランスのナビヤから自動運転バスを購入し、沖縄県南城市での実証実験を受託。ヤフーが資本参加し、自動運転バスの運行に必要なデータ連携を強化。
2018年: 東京電力福島第一原発構内で自動運転EVバスの運行支援を開始し、羽田空港での実証実験を開始。各地方自治体や企業と共同で、様々な環境下での自動運転バスの実証実験を実施。
2019年: 各地で自動運転バスの実証実験を継続実施。JR東日本管内でのBRTにおけるバス自動運転の技術実証に協力。MONET Technologiesとの連携が強化され、事業統合の可能性が示唆される。
2020年: 社名をBOLDLY株式会社に変更し、自動運転技術の実用化に向けた取り組みをさらに加速。

ソフトバンクの自動車関連事業

ソフトバンクグループは、BOLDLY以外にも、自動車関連事業として、超小型モビリティの実証実験やレンタルサービス、AI技術を活用したモビリティの研究開発を行っています。また、フィリピンでの電動三輪自動車を用いた旅客輸送サービスの実証実験や、内閣府主導のSIP自動運転バス実証実験にも参画しています。

まとめ

BOLDLY株式会社は、自動運転技術を核としたスマートモビリティサービスの実現を目指し、様々な実証実験と技術開発を重ねています。地方自治体や企業との連携を通じて、自動運転バスの早期実用化を視野に入れ、運転手不足や過疎化といった社会課題の解決に貢献することが期待されています。

この情報は、最新の技術動向や社会情勢によって変化する可能性があるため、常に最新の情報を確認することが重要です。

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