BTR-152

BTR-152: ソビエト連邦の装輪式装甲兵員輸送車

BTR-152は、1950年から1962年にかけてソビエト連邦によって製造された装輪式装甲兵員輸送車です。全体で15,000台以上が生産され、その影響は多くの国の軍事車両にも見られます。

構造

この車両は、第二次世界大戦期にドイツのSd Kfz 250/251やアメリカのM5/M9ハーフトラックから直接的なレイアウトの影響を受けています。初期型はZiS-151トラックのシャーシを基に開発され、その後期型はZIL-157トラックを基にした設計となっています。オープントップ式で、通常17～18名の歩兵を搭載することが可能です。また、後期型にはタイヤの空気圧を路面状態に応じて調整できる機能が装備されています。車両の両側面には、兵士が内部から射撃できるように設計されたガンポートが各3カ所ずつあり、防御力と攻撃力を兼ね備えています。

派生型

BTR-152は多くの派生型が存在し、特定用途に応じた独自の仕様があります。

• - BTR-152: 基本の兵員輸送型。
• - BTR-152-A: 対空車輌で、14.5mm対空機銃を2連装装備。
• - BTR-152-B: 砲兵指揮車両で、ウインチを搭載。
• - BTR-152-D: ZPTU-4を2丁搭載した試作車両。
• - BTR-152-V: ZIL-157トラックを使用したバリエーション。
• - BTR-152-E: BTR-152-Aと同様の武装を持ち、BTR-152-Vをベースに。
• - BTR-152-S: 戦闘指揮車両。
• - BTR-152-K: 密閉式戦闘室を採用したモデル。
• - BTR-152-V-1: 暗視装置が搭載された改良型。
• - BTR-152-U: 戦闘指揮車両ですが、配備はされませんでした。
• - BTR-152-V-2: 改良された試作車両。
• - BTR-E-152-V: 悪路性能を向上させた実験車両。
• - BTR-152 TCM-20: イスラエルの改造により、20mm機関砲を装備した対空車両。
• - BTR-152 ARV: 装甲回収車で、イスラエルによって改造されました。
• - 56式兵員輸送車: 中国で製造されたバリエーション。

使用国

BTR-152は、赤道ギニア、スーダン、アンゴラ、エチオピア、シリアなど、現在もいくつかの国で使用されています。また、ベトナムや北朝鮮でも見られます。

登場作品

BTR-152は『メタルギアソリッド3』に登場し、特にグロズニィグラードのシーンで目立っています。これは、スネークたちがこの車両によって待ち伏せされたことを示しています。

関連項目

BTR-152の関連車両として、同時期に使用されたBTR-40や、イスラエルで開発されたNimda Shoet装輪装甲車が挙げられます。これらの車両も装甲車両としての特性を持ち、多様な軍事用途に対応してきました。

BTR-152はその設計と多様性から、ソビエト連邦の冷戦時代の象徴的な軍用車両として位置づけられています。

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