BV 155 (航空機)

ブローム・ウント・フォス BV 155

ブローム・ウント・フォス BV 155は、第二次世界大戦中にドイツで開発された高高度戦闘機であり、その背景には艦上戦闘機としての設計がありました。1942年、メッサーシュミット社は艦載戦闘機、Me155の開発を始めました。当時、空母グラーフ・ツェッペリンの建設が遅れており、艦上戦闘機としてのBf109Tの量産が進まなかったことから、さらなる後継機としての役割が求められたのです。これにより、Bf109との部品共用化が意図され、早急な開発が追求されました。

しかし、1943年に入ると空母の建造が中止されたため、艦上戦闘機を開発する意味がなくなりました。この影響を受けて、開発は急降下爆撃機へ180度転換されましたが、ドイツが戦況で守勢に回ったことに伴い、要撃機の開発が優先されたため、この計画も再度中断されました。それでもメッサーシュミット社はMe155の開発を続けることを決意し、高高度戦闘機への方向転換を図りました。

その結果、Me155B型と呼ばれる新たな設計へと進展しました。この型は、新型の胴体に長い主翼を持ち、他のメッサーシュミット社の機種から流用された翼や降着装置が組み込まれる計画でした。しかし、メッサーシュミット社が他の重要な開発作業に追われていたため、1943年の半ばからはブローム・ウント・フォス社がこのプロジェクトを引き継ぐことになりました。

ブローム・ウント・フォス社はMe155の設計を完全に破棄し、Bv155として新たに開発を開始しました。この機体は、与圧キャビンを持つ独特の形状に仕上げられました。特に、長大な主翼には層流翼が採用され、冷却器も中央に配置されるなど工夫が施されました。また、主脚はJu87Dから流用されたものであり、広い脚轍間距離が確保されつつも外側引き込み式のスタイルが特徴でした。共通部品はBf109シリーズからは排除されています。

けれども、開発過程の混乱により製作作業は思うように進まず、初飛行は1945年2月に行われました。続くテスト飛行では、排気タービン過給機に問題が発生し、機体は望ましい性能を発揮できないまま、敗戦を迎える結果となったのです。最終的に、試作機の一号機と二号機が完成したものの、三号機は敗戦時に70％以上が完成した状態にとどまりました。

スペック

• - 機種名: BV 155B1
• - 全長: 11.81 m
• - 全幅: 20.17 m
• - 全高: 4.17 m
• - 翼面積: 38.5 m²
• - 全備重量: 5,613 kg
• - エンジン: ダイムラー・ベンツ DB603U (1,810hp)
• - 最大速度: 690 km/h
• - 実用上限高度: 16,830 m
• - 航続距離: 1,440 km
• - 武装: 30mm MK108機関砲×1、20mm MG151/20機関砲×2
• - 乗員数: 1名

このように、ブローム・ウント・フォス BV 155は、艦上戦闘機から高高度戦闘機へと開発が進められたものの、戦局の変化や設計の混乱に影響され、完成を果たすことはできませんでした。

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