BankART1929とは？意味をやさしく解説 - サードペディア百科事典

BankART1929（バンカートいちきゅうにーきゅう）は、横浜市が推進する文化芸術創造の実験プログラムであり、歴史的建造物や港湾施設をアートの拠点として活用し、都心部の再生を目指すプロジェクトです。アート、建築、パフォーマンス、音楽、会議など、幅広いジャンルを対象とし、年間650件以上の事業を活発に展開しています。

施設の変遷

2004年3月に実験事業としてスタートし、2006年度から本格的な事業に移行しました。当初は旧第一銀行横浜支店を活用した「BankART 1929 Yokohama」と、旧富士銀行横浜支店を活用した「BankART1929 馬車道」の2箇所を拠点として活動していましたが、「BankART1929 馬車道」は2004年末で終了。代わりに2005年1月からは日本郵船横浜海岸通倉庫を改修した「BankART Studio NYK」を新たな拠点としました。その後、「BankART 1929 Yokohama」は2009年3月末、「BankART Studio NYK」は2018年3月末に活用を終了しています。

現在は、新高島駅の地下1階倉庫を活用した「BankART Station」（2019年2月開所）と、北仲通北地区のKITANAKA BRICK&WHITE内にある「BankART KAIKO」（2020年10月開所）の2箇所が主な活動拠点です。特に「BankART KAIKO」は2024年の第8回横浜トリエンナーレの会場の一つにもなりました。また、新潟県十日町市の古い農家を改造した「BankART妻有 (Tsumari)」も運営しており、大地の芸術祭の開催時期に合わせてオープンします。

過去には、アーティストインレジデンス機能を持つ「BankART桜荘」（2006年7月〜2010年4月）、東急東横線廃線跡の高架下を活用した「R16 studio」（2018年8月〜2021年3月）などの施設も運営していました。

現在の拠点

- BankART Station / BankART1929 Office
- BankART KAIKO

取り組み

BankART1929は、アートイベントの企画・運営だけでなく、多岐にわたる活動を行っています。アーティストに制作スペースを貸し出す「アーティストインスタジオ」では、2ヶ月単位でスペースを提供し、定期的に一般公開も実施しています。また、「BankARTスクール」では、各分野で活躍する講師を招き、2ヶ月で8コマを基本単位とした講座を開催しています。

さらに、芸術書籍を扱うBankARTショップの運営、展覧会の出版事業、横浜の地ビールメーカーとのコラボレーションによるオリジナルブランドの開発など、コンテンツ制作にも力を入れています。これらの事業収益は、BankART1929の運営資金として活用されています。

新・港村-小さな未来都市（BankART LifeⅢ）

ヨコハマトリエンナーレ2011の特別連携プログラムとして、新港ピアを会場に開催されました。さまざまな国のクリエイターが集まり、廃材や粗大ゴミを再利用した施設で構成された、未来都市を思わせる空間が創出されました。

名称の由来

BankARTは、旧第一銀行横浜支店と旧富士銀行横浜支店の2つの建物を芸術文化に活用するという意味を込めた造語です。どちらの建物も1929年に建設され、古代ローマのトスカナ式建築様式で建てられています。この年はニューヨーク近代美術館（MOMA）が設立された年でもあります。

変遷

BankART1929は、都心部再生を目的とした横浜市のプロジェクトとして、都市計画局が管轄し、2年間の期間限定でスタートしました。2003年11月には運営団体の公募が行われ、24団体の中から2団体が選ばれました。現在はNPO法人として活動しており、横浜市から場所代や光熱費の負担、運営委託費や事業補助金として年間約6,000万円の支援を受けています。BankART1929は、スペースレンタルやスクール、パブなどの収益事業によって運営資金を生み出し、再投資を行っています。

アーティストインスタジオ

アーティストに低廉な制作環境を提供するとともに、街の活性化を目的として、年間のスタジオアーティストを公募し、書類選考と面接を経て入居者を決定しています。

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