BlackBerry Curve 9300:世界中で愛されたスタンダードモデル
BlackBerry Curve 9300は、
カナダの
携帯電話メーカーResearch In Motion(RIM、現ブラックベリー)が2010年
12月1日に発売した
BlackBerryシリーズの
スマートフォンです。同シリーズの中でもスタンダードモデルとして位置づけられ、日本を含むアメリカ、ヨーロッパ、アジア、オーストラリアなど世界各国で広く普及しました。
親しみやすいデザインと充実の機能性
BlackBerry Boldシリーズが革張りの背面や高精細液晶、高機能カメラを備えたハイスペックモデルだったのに対し、Curve 9300は価格を抑え、より気軽に購入できるモデルとして設計されました。そのため、米国では特に高い人気を誇ったと言われています。
その特徴は、103gという軽量ボディと、直感的な操作を可能にするQWERTYキーボードと光学式トラックパッドの組み合わせです。キーボードはBoldシリーズとは異なり、キーが独立して配置され、タイピングの快適性を向上させています。
さらに、音楽再生用の専用ボタンを搭載するなど、エンターテイメント機能も強化。
BlackBerry Desktop Softwareを使用することで、iTunesとの同期も可能になり、プレイリスト単位で音楽を取り込むことができました。
3G通信機能は
FOMAプラスエリア、
FOMAハイスピード、
GSM、GPRSなどに対応し、
NTTドコモの国際
ローミングサービス「
WORLD WING」にも対応していたため、海外でも利用できました。また、日本で発売された
BlackBerryシリーズでは初めてIEEE802.11nに対応し、300Mbpsの高速Wi-Fi通信が可能でした。
BlackBerryサービスの利用には、
BlackBerry Enterprise Serviceまたは
BlackBerry Internet Serviceへの加入が必要でしたが、2010年
12月1日より利用料金が大幅に値下げされました。同日より、iモードメールと同じ@docomo.ne.jpドメインのメール送受信や絵文字の送受信も可能になりました。ただし、@docomo.ne.jpドメインのメールアドレスを利用するには、
BlackBerry Internet Serviceとspモードの同時契約が必要でしたが、
ISPセット割が適用されるため、実質的なspモードの利用料金は発生しませんでした。
BlackBerry Internet Serviceを契約すれば、@docomo.blackberry.comドメインのメールアドレスが提供され、プッシュ型メールの送受信が可能でした。また、POPやIMAP対応のメールアドレスや、
Gmail、
Hotmail、
Yahoo!メールなど各種Webメールもプッシュメールで利用できました。
さらに、
BlackBerry Messengerがプリインストールされ、Google TalkやWindows Live Messengerも利用可能でした。メッセージの着信は、着信音、バイブレーター、LED通知で知らせてくれました。
アプリケーションとカスタマイズ性
プリインストールアプリとして、ブラウザ、メールアプリ、カレンダー、アドレス帳、
BlackBerry Messenger、Google Talk、Windows Live Messengerなどが搭載されていました。さらに、
Twitter、
Facebook、
Myspace、mixiなどのSNSアプリもプリインストールされていました。地図アプリには
BlackBerry Mapに加え、Google Mapsも利用可能で、GPSやストリートビューにも対応していました。
アプリケーションは、RIMが運営する
BlackBerry App Worldやドコモのアプリケーションサイトからダウンロードすることができ、多様なアプリで端末をカスタマイズできました。Document To GoによりWord、Excel、PowerPointファイルの編集も可能でした。また、様々なテーマをダウンロードして、画面のデザインを変更することもできました。
発売時期と関連情報
2010年
11月8日:
BlackBerry Curve 9300の開発発表
2010年
11月19日:予約受付開始
* 2010年
12月1日:発売開始、spモード、
BlackBerry Webフィルタリング開始
BlackBerry Curve 9300は、その優れた機能性と使いやすさで多くのユーザーを魅了した、
BlackBerryシリーズを代表するモデルの一つでした。