C-123 (航空機)

C-123 プロバイダー (Fairchild C-123 Provider)

C-123 プロバイダーは、第二次世界大戦後に登場したアメリカの軍用輸送機で、そのユニークな設計は多くの後続機に影響を与えました。特に、太い胴体と高翼式の主翼、スロープとしての機能を持つ大型カーゴベイドアが特徴的で、これらは以降の軍用輸送機のスタイルの基礎を築きました。

概要

C-123は、最初はアメリカ空軍向けの強襲用グライダー、XCG-20としてチェース・エアクラフト社により設計され、内部でMS-8 Avitrucと呼ばれていました。1950年代初頭には、異なるエンジンを搭載した2つのモーターグライダー、XC-123とXC-123Aが開発されました。特に、XC-123AはB-47同様のターボジェットエンジンを搭載した米空軍初のジェット輸送機でしたが、試作段階での生産にとどまりました。

一方で、レシプロエンジンを採用したXC-123は、空軍に好印象を与え、5機の量産前試作機がC-123Bとして生産されることが決定しました。これにより、米フェアチャイルド社が製造を担当し、1953年に293機のC-123Bが発注され、1955年には実際の運用が開始されました。

他のモデルとして、1956年にはC-123Bの改良型YC-134が開発されるものの、試作機は1機のみ製造され、量産には至りませんでした。また、この年にはC-136の開発が発注されましたが、実機は製作される前にキャンセルされました。

1962年には、補助推力を持つC-123Kが誕生し、183機のC-123Bが改修されました。この機体は、ベトナム戦争中に枯葉剤の散布任務にも使用され、戦争の負の側面とも関連づけられています。

仕様 (C-123K)

• - 乗員: 4名
• - 定員: 兵士62名
• - ペイロード: 10,886 kg
• - 全長: 23.24 m
• - 全高: 10.36 m
• - 翼幅: 30.48 m
• - 翼面積: 113.62 m²
• - 空虚重量: 14,060 kg
• - 最大離陸重量: 27,000 kg

動力

• - ゼネラル・エレクトリック J85-GE-17 ターボジェットエンジン × 2（推力: 13 kN）
• - プラット・アンド・ホイットニー R-2800-99W レシプロエンジン × 2（出力: 2,298 ehp）

性能

• - 最大速度: 407 km/h
• - 巡航速度: 300 km/h
• - 航続距離: 2,157 km

運用国

C-123はアメリカ合衆国だけでなく、エルサルバドル、カンボジア、サウジアラビア、タイ、フィリピン、ブラジル、ベネズエラ、ラオス、韓国、台湾、及び南ベトナムの各軍でも使用されました。

登場作品

映画『コン・エアー』では、C-123Kが連邦保安局の輸送機として登場し、囚人輸送の過程で起きるハイジャック劇が描かれています。また、映画『エア★アメリカ』ではベトナム戦争の重要なシーンに用いられ、C-123KがCIAの秘密航空会社に所属する機体として活躍しています。

さらに1990年の『ダイ・ハード2』にも登場することがあるが、作中の機体は架空の設計です。

このように、C-123プロバイダーは軍用輸送機としての多様な役割を果たし、様々な歴史的背景に刻まれた存在です。

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