C-2 (航空機・アメリカ)

C-2 グレイハウンド

C-2グレイハウンドは、アメリカ合衆国のグラマン社によって開発された艦上輸送機で、主に航空母艦への補給物資輸送を担うことを目的としています。この機体は、アメリカ国内での長距離バスの名称でも知られる「グレイハウンド」がその愛称となっており、特に艦上での輸送任務において高い信頼性を持って運用されています。

開発の背景

アメリカ海軍は、C-1トレーダーという輸送機を長年使用していましたが、1962年にはより高性能の機体が求められました。これに応じてグラマン社は、当初開発していたE-2艦上早期警戒機を基にした新たなCOD（艦上補給）機の設計を開始しました。1962年5月、C-2Aとして29機の発注があり、開発プロセスが本格的に進展します。試作機は1964年に初飛行を果たしました。

生産と改良

最初の注文から17機が1967年までに生産されましたが、ベトナム戦争の影響で他の機体のキャンセルが相次ぎ、残りの納入は中止されました。その後、1978年から1982年にかけて初期生産機に強度の向上や空中給油能力の追加といった改良が施されました。1982年にはC-1の退役に伴い、C-2の再度の生産が決定され、1984年から1990年の間に39機が生産されています。これら後期生産型は、初期型よりも多くの近代化が施されています。

機体の特長

C-2はE-2の発展型であり、いくつかの設計変更が加えられています。特に主翼は高位置に配置され、折りたたみ可能な構造になっています。また、輸送任務には不要なレーダードームが省かれ、これにより機体の外観も大きく変わりました。胴体部分も改設計が施され、後部には貨物用のローディングドアが設置されています。そのため、尾翼の位置も上方に移動し、水平尾翼のデザインも簡素化されています。

C-2の最大ペイロードは7.7トンで、最大3枚の463Lパレットシステムを用いて貨物を搭載できます。さらに、座席を設けることで最大39名の兵員を輸送することも可能です。エンジンはターボプロップエンジンが2基搭載されており、これにより空母の燃料供給を一元化する利点があります。

各型の概要

• - YC-2A: E-2Aを改装した試作機。
• - C-2A: 量産型で初期型が17機、後期型が39機。後期型はC-2(R)とも呼ばれます。
• - C-2(M): E-2Dとの部品共通化が施されたモデル。新しい座席が採用され、C-2Aの後継機として考案されましたが、結果的にV-22オスプレイに取って代わられました。

主要な性能パラメータ

• - 全長: 17.3m
• - 全高: 4.85m
• - 全幅: 24.6m
• - 翼面積: 65m²
• - 空虚重量: 16.486t
• - 最大離陸重量: 24.655t
• - 搭載量: 最大7.7t
• - エンジン: アリソン T56-A-425 ターボプロップエンジン
• - 最大速度: 574 km/h
• - 航続距離: 2,889 km
• - 乗員: 3人

文化的な影響

C-2は映画やテレビドラマでも取り上げられています。『ザ・ラストシップ』では、ウイルス拡散後の状況でワクチンを届けるために飛行するシーンが描かれています。また、映画『ティアーズ・オブ・ザ・サン』では、Navy SEALsチームをナイジェリアに輸送する機体として登場します。小説『レッド・オクトーバーを追え』でもその愛称が登場し、重要な役割を果たしています。これらの文化的な描写により、C-2は一般的にも認知される存在となっています。

C-2グレイハウンドは、今なお艦上輸送機としての役割を果たし、アメリカ海軍の重要な部分を担っています。

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