CDian

CDian（シーディアン）シリーズの概要

CDian（シーディアン）は、日本ビクター（現在のJVCケンウッド）が1988年から1990年にかけて販売していたCDラジカセシリーズの名称です。このシリーズは1987年に発売されたCDean（シーディーン）シリーズの後継として位置づけられ、全モデルにダブルカセットデッキを搭載していました。これにより、録音と再生が非常にスムーズになりました。

特に、CDianシリーズは多くの機種に「G-HORN EX」と名付けられたサブウーハーが搭載されていることが特徴であり、臨場感のある音質を提供していました。また、CDとは初めて本格的に対応した音響機器として、今後の同社のCDラジカセの基盤を築く重要な役割を果たしました。この成功により、CDianシリーズは長い間、ユーザーに親しまれることとなったのです。

歴代ラインナップ

CDianシリーズには、いくつかのモデルがあります。1988年に発売された最上級モデルRC-X90は、自社設計のフルロジックカセットデッキを搭載し、ノーマルポジションとハイポジションのテープの録音・再生に対応しました。ノイズリダクションにドルビーBタイプを採用し、視覚的にも楽しませるため、FL管という特別なディスプレイを使っていました。また、シリーズ唯一のスペクトラムアナライザを装備しており、当時の定価は87,800円でした。

中堅モデルのRC-X70は、RC-X90の機能を一部省略したモデルであり、アナログ式のチューナーや手動式のカセットデッキを使用していました。サブウーハーは搭載しているものの、ノイズリダクション機能は省かれ、定価は56,800円でした。このモデルでは、人気バンドBUCK-TICKがCMに出演し、彼らの楽曲『JUST ONE MORE KISS』がCMソングとして使用され、注目を集めました。

最も手頃なモデルであるRC-X3は、サブウーハーなしで、リモコンに対応していないシンプルな仕様でした。そのため、当時の定価は45,800円でした。このように、モデルそれぞれに特徴があり、ユーザーのニーズに合わせた選択肢が揃っていました。

1989年には新たなバリエーション、RC-X50が発売されました。これは1988年モデルのコンセプトを引き継ぎつつも、細部には改良が加えられました。サブウーハーは搭載されていましたが、リモコンには非対応という一面も持っていました。

CDianシリーズの影響

CDianシリーズの登場は、日本ビクターにとっての重要な転換点となり、その後のCDラジカセモデルの設計に大きく寄与しました。このシリーズは、音楽を楽しむためのデバイスとしてだけでなく、邦楽を盛り上げるための重要なアイテムでもありました。

1990年には、CDianシリーズの後継機種としてCDiossシリーズが登場しましたが、CDianの特徴は多くの後継機種へと受け継がれていきました。音楽とテクノロジーが融合したこのシリーズは、ビクターの未来を形作るものとなり、多くの音楽ファンから愛され続けています。

このように、CDianシリーズは確固たる地位を築き、音楽のあり方を変える一端を担ったのです。

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