CH-37 (航空機)

H-37モハーヴェ

H-37モハーヴェ（H-37 Mojave）は、シコルスキー・エアクラフト社により1950年代に設計された大型の重吊下ヘリコプターであり、その多用途性からアメリカ陸軍や海兵隊において重要な役割を果たしました。この機体は、民間用にS-56という名で、軍用にはCH-37モハーヴェおよびHR2Sとも称されました。

開発の経緯

H-37モハーヴェの開発は、1951年にアメリカ海兵隊からの要請に基づき、兵員26名を輸送できる強襲輸送ヘリコプターとしてスタートしました。1953年に最初の試作機が初飛行し、1956年には量産型のHR2Sが海兵隊に配備されるに至ります。全体で60機が製造され、アメリカ陸軍も1954年に試作機を評価した後、94機を発注し、1956年夏から納入が始まりました。これらの機体は1960年までに全て配備され、改良版のH-37Bへと進化しました。

当時、CH-37は西側諸国において最大のヘリコプターであり、シコルスキー社が初めて製造した双発エンジン搭載の機体でもありました。搭載されたプラット・アンド・ホイットニー製の星型エンジンは強力であり、降着装置は内蔵されたポッド型にあり、機体の形成が貨物の積み下ろしに適したものとなっていました。主ローターブレードは5枚で構成され、戦闘中の耐久性も考慮された設計です。

就役と退役

CH-37はレシプロエンジンを搭載した最後の大型ヘリコプターとして知られていますが、そのために就役期間は比較的短く、1960年代遅くには退役が進みました。陸軍では、後継機としてCH-54タルヘが導入されることになります。

1963年には、4機のCH-37Bがベトナムに派遣され、墜落した米軍機の回収任務に従事しました。この任務では7,500万米ドル相当の機材を回収する成果を上げ、その中には敵地からの回収も含まれていました。

様々な派生型

H-37モハーヴェには、いくつかの派生型が存在します。アメリカ海兵隊向けにはXHR2S-1なる試作機が存在し、通常型のHR2S-1は量産型として成功を収めました。また、アメリカ陸軍向けにはH-37Aおよび後の改良版H-37Bが製造されました。

さらに、CH-37CやCH-37Aなど、アメリカ軍の命名規則に基づく名称が使用され、運用される機体が統一されました。その中には、様々な役割に応じた機体の改造や新たな機能追加が行われた例もあります。

現在の状況

現在、CH-37Bはアメリカ各地の博物館で展示されており、その存在は過去の貴重な航空技術の証として残されています。例えば、アラバマ州のアメリカ陸軍航空博物館やフロリダ州の国立海軍航空博物館などで見ることができます。

技術的要目

• - 乗員：3名
• - 搭載量：兵員26名
• - 全長：26.8 m
• - 主ローター直径：22.0 m
• - 最大離陸重量：9,500 kg
• - エンジン：プラット・アンド・ホイットニー R-2800-54、2,100 hp
• - 航続距離：400 km

H-37モハーヴェは、その堅牢な設計と多くの実績により、特に軍事的用途で強いインパクトを残したヘリコプターです。

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