COMPLEX (アルバム)

アルバム『COMPLEX』の紹介

『COMPLEX』（コンプレックス）は、日本の音楽ユニットCOMPLEXによる初のオリジナル・アルバムです。1989年4月26日に東芝EMIのイーストワールドからリリースされ、全体のプロデュースはメンバーである布袋寅泰が担当しました。このアルバムの独特な魅力は、吉川晃司がボーカルを務め、布袋がギターを演奏することによる斬新な音楽スタイルにあります。

背景

COMPLEXの誕生の背景には、吉川晃司と布袋寅泰の音楽的な活動が密接に関係しています。吉川は1984年にデビューし、渡辺プロダクションに所属しながら成果をあげてきましたが、バラエティ番組出演に嫌悪感を抱き独立を決意。一方、布袋はBOØWYのギタリストとして成功を収めた後、同バンドの解散を経てソロ活動に挑戦していました。二人は1985年に知り合い、その後共に音楽を作ることを目指しましたが、契約上の問題で1年間活動が難しい状況が続きました。

1988年、ボトムとして知り合った二人が同時期に独立を果たし、COMPLEXを結成。ユニット名も「複合」を意味する「COMPLEX」という言葉から名付けられました。

録音・制作

アルバム『COMPLEX』は、モントセラットにあるエアー・スタジオでレコーディングされました。布袋の目指した「ロックンロールと歌謡界のクロスオーバー」というコンセプトのもと、音楽性を探求しました。吉川は、歌詞は自身の過去のスタイルを踏襲しながらも、布袋との共同作業によって新たな色合いを持った楽曲が生まれたと述べています。例えば、アルバムの収録曲「恋をとめないで」は、COMPLEXの代表曲として知られていますが、シングルとしてはリリースされていません。

布袋は、楽曲制作のインスピレーションを自動車に求め、そのエンジン音をビートに変えることで新たな音楽を作り上げたことも述べています。このユニットは、シンガーとギタリストによる新しい試みを日本の音楽シーンにもたらしました。

楽曲

アルバムにはさまざまな楽曲が収録されており、特に「BE MY BABY」は先行シングルとして大ヒットを記録しました。この曲はオリコンシングルチャートで第1位を獲得し、デビューの強力な推進力となりました。

他の楽曲もそれぞれの個性を反映しており、特に「PRETTY DOLL」や「恋をとめないで」はそのキャッチーなメロディで多くのリスナーに愛されています。音楽情報サイトのレビューによれば、これらの楽曲には、リズミカルでエネルギッシュなサウンドが特徴的であり、COMPLEXの新しいスタイルを証明するものとなっています。

リリースと評価

今作はリリースされると、オリコンアルバムチャートで初登場第1位を獲得し、総合で49.8万枚以上の売上を記録しました。日本レコード協会からプラチナ認定を受けるなど、その人気は絶大でした。また、音楽批評家たちは、この作品の音楽性が吉川と布袋の特異な融合であると高く評価しています。

ツアー

アルバムを引っ提げたコンサートツアー「COMPLEX TOUR 1989」も成功を収め、全国を巡る42公演が行われました。ライブビデオ「COMPLEXTOUR'89」がリリースされたことからも、ファンの期待度とアルバムの影響力の大きさが伺えます。

結論

COMPLEXの『COMPLEX』は、日本の音楽シーンにおいて革新的な試みを行ったアルバムであり、その影響は今なお色濃く残っています。二人の個性が融合した音楽スタイルは、後のアーティストたちに多大な影響を与え続けているのです。

もう一度検索