CP-140 オーロラ

CP-140 オーロラ：カナダ空軍の対潜哨戒・海洋監視機

CP-140 オーロラは、カナダ空軍が運用する対潜哨戒機および海洋監視機であり、ロッキード社のP-3C オライオンをベースに開発されました。カナダ空軍は、老朽化したCP-107 アーガス対潜哨戒機の後継機として、1980年代初頭に導入を決定しました。

開発と設計

CP-140はP-3Cの派生型として開発されましたが、いくつかの点で異なっています。ソノブイ発射口の数を減らし、そのスペースに垂直パノラマ式カメラを搭載できるように設計されています。対潜器材および洋上監視システムは、S-3ヴァイキングのものを基にしています。また、機内配置も特徴的で、搭乗員が密接な連携を取れるように、戦術航空士（TACCO）を中心とした「コ」の字型配置のコンソールに座るようになっています。

運用

1980年から18機が導入され、第14航空団に集中配備されました。冷戦時代には、北大西洋上での対潜哨戒任務に従事しました。冷戦終結後は、長距離哨戒機として任務の多様化が進められ、21世紀に入ってからは、カナダ国内軍や王立カナダ騎馬警察などと協力して、対テロ警戒や麻薬密輸監視の任務にも従事しています。また、対テロ戦争の一環として中東地域にも派遣されています。近年では、北朝鮮の瀬取り監視に参加するため、日本にも飛来しています。

老朽化が進んだ機体については、1998年から段階的に延命・近代化が進められています。

2023年11月30日、ボーイングはカナダ政府がCP-140の後継機としてP-8Aを選定したと発表しました。

CP-140A アークツゥルス

1991年にP-3の生産が一旦打ち切られると、CP-140の生産も困難となりました。そのため、余剰機体を導入することになりましたが、これらは対潜器材が省略されたものであり、CP-140A アークツゥルス(Arcturus)と命名されました。CP-140Aは3機が導入され、飛行訓練および海洋監視任務に投入されました。
CP-140Aは2011年に退役しています。

性能諸元

乗員：12-15名
全長：35.61 m
全幅：30.38 m
全高：10.49 m
エンジン：アリソン T56A-14 ターボプロップ ×4
出力：4,600馬力
最大速度：750 km/h
航続距離：9,300km
実用上昇限度：10,700 m

関連項目

ロッキード P-3C
* 対潜哨戒機

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