CTIレコード

CTIレコード：ジャズの革新と大衆化を牽引した伝説のレーベル

CTIレコードは、1967年にプロデューサーのクリード・テイラーによって設立されたジャズレーベルです。テイラーは、ジャズをより広い層に届けたいという明確なビジョンを持っていました。そのコンセプトを実現するため、クラシック音楽や当時のソウルミュージックをジャズに大胆にアレンジし、新たな音楽の可能性を追求しました。

CTIサウンドの確立

CTIレコードのサウンドの特徴は、豪華なオーケストレーションと、一流ミュージシャンたちの卓越した演奏技術が融合した点にあります。クラウス・オガーマン、ドン・セベスキー、ボブ・ジェームス、デイヴィッド・マシューズといった才能あふれるアレンジャーたちが、CTIサウンドを支えました。また、ルディ・ヴァン・ゲルダーによる高音質なレコーディングも、CTIサウンドの重要な要素です。ジャケット写真の多くはピート・ターナーが手掛け、洗練されたイメージを確立しました。

クロスオーバーの先駆け

CTIレコードは、クロスオーバー（フュージョンの前身）というジャンルの先駆けとしても知られています。ジャンルを超えた音楽性は、多くのリスナーを魅了し、CTIは一躍人気レーベルとなりました。デオダートの「ツァラトゥストラはかく語りき」は、CTIを代表する大ヒット曲です。

CTIの隆盛と終焉、そして再生

1970年にA&Mレコードから独立したCTIは、その後も数々の名盤をリリースし続けました。しかし、1978年にCBSとの配給契約における負債が原因で、CTIは破産してしまいます。この時、日本での原盤権はキングレコードが買い取りました。アメリカでは、ソニー・ミュージックエンタテインメントのコロムビア・レコードが原盤権を保有しています。

破産後、ボブ・ジェームスとグローヴァー・ワシントン・ジュニアは、自身のリーダー作の原盤買い取りを求めてCBSを提訴し、勝訴。これにより、彼らは自身の作品を元の音源、デザインのまま、クリード・テイラーのサイン入りで自身のレーベルから再発することができました。

その後、キングレコードのサポートにより、1980年にはフューズ・ワンのアルバムがヒット。1982年には、新生CTIとしてアコースティックなジャズアルバムをリリースしました。1990年には、西武百貨店系列のWAVEの出資により再始動を果たし、ポリグラム系列で米国でも発売されました。

CTIを彩ったアーティストたち

CTIレコードには、数多くの才能あふれるアーティストたちが集いました。

アート・ファーマー
アントニオ・カルロス・ジョビン
ウェス・モンゴメリー
グローヴァー・ワシントン・ジュニア
ジョージ・ベンソン
デオダート
ニーナ・シモン
ハービー・マン
ボブ・ジェームス

これらのアーティストたちは、CTIレコードを通じて、ジャズの新たな可能性を切り開きました。

CTIレコードの遺産

CTIレコードは、短期間の活動期間であったにもかかわらず、ジャズの歴史に大きな足跡を残しました。クロスオーバーという新たなジャンルの確立、そして何よりも、高品質な音楽を追求する姿勢は、多くの人々に影響を与え続けています。CTIレコードの音楽は、今もなお、色褪せることなく輝きを放っています。

関連事項
クリード・テイラー
インパルス!レコード
ソニー・ミュージックエンタテインメント
* コロムビア・レコード

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