CVX (大韓民国海軍)

CVX計画について

CVX（英語: CV eXperimental）とは、大韓民国海軍が進める航空母艦（軽空母）の建造プロジェクトのことを指します。この計画は、もともと独島級の後継艦として、LPX-IIという名称で始まりましたが、2021年2月に現在の名称に変更されました。さらに、この計画は韓国の海軍戦力の向上を目指しており、国内外の関心を集めています。

計画の成り立ち

LPX-II計画は、1995年4月に安炳泰大将が第24代大韓民国海軍参謀総長に就任した際、外洋海軍建設の一環として始まりました。これに伴い、大型輸送艦として独島級揚陸艦の建造が進められ、2005年に初号艦が進水し、2018年には改良型の2番艦も登場しました。さらに、2019年には軽空母の導入計画が国防部より発表されました。

CVX計画の具体的な内容

CVX計画では、排水量約40,000トンで、S-70級の艦載ヘリコプター28機またはF-35B戦闘機最大16機を搭載可能な設計が進められています。この艦は、揚陸作戦や空母としての役割を果たすことができる能力を持つのが特徴です。2020年には現代重工業がSTOVL（短距離離陸・垂直着陸）機能を持つ艦船の概念設計を行うことが発表され、2022年から基本設計のスタートが見込まれました。

計画名称の変更と国際的な影響

2021年2月にはCVXへの名称変更が公式に発表され、イギリスの企業と協力しつつ韓国の造船会社が設計を進めています。CVX計画には、艦橋構造物（アイランド）を二分するデザインが含まれており、これに先進的なレーダーシステムを搭載する計画もあります。また、韓国での軽空母の保有に関しては、周辺国、日本やアメリカなどからも疑念の声が上がっています。

軍事的観点と政治的背景

軽空母建造の目的には、米軍への依存度の軽減や防衛力の強化が含まれています。一方で、韓国の安全保障環境を考慮すると、北朝鮮の脅威や地域の地政学的緊張を背景に、このプロジェクトの意義は大きいといえます。このような背景の中、2022年には政権交代が行われ、CVX計画の進行にも影響が見られました。

軍備の見直し

2025年の計画修正により、軽空母の概念が多目的有人・無人戦力指揮艦に変更され、戦闘用無人機の搭載が検討されています。これにより、コスト面の圧縮が期待されています。また、2025年には展示会で、UAVを搭載したCVXのコンセプト模型も発表され、関心を集めています。

まとめ

韓国のCVX計画は、国の防衛力を強化し、地域の安定に寄与することを目指しています。軽空母の存在は、韓国海軍のさまざまな作戦能力を高め、その役割を拡大させる重要な一歩となることでしょう。国内外の議論や政策に対する反響を受けつつ、今後の進展が期待されます。

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