Cat Shit One

Cat Shit One（キャットシットワン）

『Cat Shit One』は、小林源文による漫画作品で、1998年からソフトバンククリエイティブ社より刊行されています。通算9巻が発行されており、日本国内のみならず、アメリカ、スペイン、ポーランドでも翻訳版が出版され、海外でも人気を博しています。

ストーリー

物語は、ベトナム戦争中のアメリカ軍特殊部隊偵察チーム、通称「キャットシットワン」に所属するパッキー、ラッツ、ボタスキー、チコの戦いを描きます。彼らは様々な困難な作戦に挑み、友情を深めながらも戦争の現実と向き合います。

続編である『Cat Shit One'80』では、舞台を1980年代の東西冷戦下に移し、カンボジア内戦における大量虐殺の証拠確認のためにチームが再結成されます。さらに、『Cat Shit One JP』では、パッキーの息子ジョナサンの視点から湾岸戦争を描き、新たな世代の戦いを描いています。

登場人物

キャットシットワン

パッキー（パーキンス）
アメリカ陸軍特殊部隊「グリーンベレー」の隊員で、キャットシットワンの隊長。自称軍曹ですが、実際は士官（大尉、後に少佐）。
楽天的な性格で、チームのまとめ役。その存在はアメリカ合衆国大統領も関与できないほどの最高機密。実は、2005年の人間世界から来た1970年生まれの宇宙飛行士であり、謎のワームホールに吸い込まれて1966年の動物世界に墜落。ウサギの姿となり、CIAによって新しい経歴を与えられたという過去を持つ。
ラッツ（ホワイト）
アメリカ陸軍特殊部隊員で、キャットシットワンの最古参メンバー。自称伍長、実際は軍曹。ベトナム語に堪能で、通訳を担当。理知的でパッキーの右腕的存在。ブロンクス出身で、プアホワイトの家庭に育つ。帰還後、軍を除隊しCIAの現場要員となる。過去のトラウマから核兵器に批判的。
ボタスキー
アメリカ陸軍特殊部隊員で、キャットシットワンの通信担当。アジア人嫌いの南部出身黒人。臆病な性格だが、仲間思いで無線がなくなることを恐れる。除隊後はファーストフードチェーンを経営し成功を収めている。
チコ
ベトナム山岳民族モンテニヤード出身で、少数民族ノラ族の族長の息子。アメリカ軍によって教育を受けた、頼りになる現地兵。キャットシットワンのメンバーとは強い絆で結ばれている。ベトナム戦争後はラオス内戦に参加し、その後難民として生活するが、パッキーに助けられる。準軍事行動にも参加している。

アメリカ軍関係者

ロン（ロビン）
アメリカ陸軍特殊部隊隊員。偵察任務中に待ち伏せされ、全滅する。
ベックウィズ
アメリカ陸軍将校で、パッキーの上官。特殊部隊構想の第一人者であり、デルタフォースを設立。
サイドワインダー
アメリカ空軍の前線航空管制官。パッキー達を空から支援する。CIA中東支部長に転身。
エルモア
アメリカ陸軍将校。パッキーの存在を巡り、上層部から圧力を受けている。
ジョナサン・パーキンス
パッキーの息子で、『Cat Shit One JP』の主人公。米陸軍レンジャー部隊に所属。父との関係は良好ではない。
バド・パーキンス
パッキーの息子の一人で、海軍のパイロット。

陸上自衛隊

池田/佐藤/斉藤/中村
日本から研修に来た自衛隊員。パッキーの指揮下に置かれる。自衛隊はベトナム戦に参加できないため、表向きは韓国兵またはヤードとして扱われる。

南ベトナム政府軍

チ少佐
南ベトナム軍の指揮官。アメリカ軍の進言を無視し、独自の行動をとる。
カウ中尉
南ベトナム軍の士官。アメリカ軍の指示に忠実に従う。

南ベトナム解放戦線

ジュリアン
フランス人の地主で、ベトコンのリーダー。ロンを処刑したことでパッキーの標的となる。
ホイ
ジュリアンの副官的な存在。ラッツによって撃たれる。

国際反共十字軍

マオ大人（ターレン）
多国籍の半独立集団のリーダー。CIAと繋がりがある。
サンテ
マオ大人と親しいフランス人船長。世渡り上手な人物。

ソ連/ロシア軍

ミーシャ・クリンコフ
ソ連・ロシア空挺軍の士官。アフガニスタンでパッキーと出会う。
セルゲイ
スペツナズ出身のロシア軍士官。ジョナサンの友人。SASに在籍。

キャラクターの表現

『Cat Shit One』では、登場キャラクターは全て動物で表現されています。これは、作者が「人間のベトナム戦争が嫌になった」ことから、動物を擬人化して描くという手法が用いられています。各キャラクターの出身国によって、動物の種類が異なっています。

アメリカ人：ウサギ
東南アジア系：ネコ
フランス人：ブタ
中国人：パンダ
日本人：チンパンジーまたはゴリラ
ロシア人：クマ
韓国人：イヌ
イギリス人：ネズミ
オーストラリア人：カンガルー もしくは コアラ
ドイツ人：キツネまたはオオカミ
イタリア人：タヌキ
中央アジア系：ヤギまたはヒツジ
中東系：ヒトコブラクダ
グルカ兵：ヒツジ
ラテン系：ウシ
アフリカ系：カバまたはサイ

その他

作中では、キャラクターの階級が誤って表記されている箇所が見られます。
アメリカ軍には「ドッグシットワン」というあだ名があり、それが転じて「キャットシットワン」になったという設定があります。
作者によると、キャラクターの下半身が裸に見える場合は、病院に行く必要があるそうです。
同様に、劇中に登場するストリッパーがパンティを着用していても、疑問を感じてはいけないそうです。
アフガン人が振舞ってくれるご馳走の中身も詮索してはいけないそうです。
小林源文の別作品『狼の砲声』や『オメガJ』には、Cat Shit Oneと同様に動物を擬人化した「ウサギの黒騎士」が収録されています。

映画版

フル3DCGアニメ映画「CAT SHIT ONE -THE ANIMATED SERIES-」が、2010年に制作されました。舞台は中東で、民間軍事会社に所属する「Cat Shit One」のパッキーとボタスキーが、人質救出作戦に挑みます。この映画版には、ラッツとチコは登場しません。

声の出演

パッキー：土田大
ボタスキー：日野聡

スタッフ

原作：小林源文
プロデューサー：岡部淳也
監督：笹原和也
脚本：セキサカイヒロシ、笹原和也
軍事考証：長谷川朋之
製作：株式会社ブラスト、株式会社anima

書籍情報

小林源文 『Cat Shit One』Vol.0 ソフトバンククリエイティブ、2005年: ISBN 4-7973-3298-0
小林源文 『Cat Shit One』Vol.1 ソフトバンククリエイティブ、1998年: ISBN 4-7973-0716-1
小林源文 『Cat Shit One』Vol.2 ソフトバンククリエイティブ、2000年: ISBN 4-7973-0960-1
小林源文 『Cat Shit One』Vol.3 ソフトバンククリエイティブ、2002年: ISBN 4-7973-2163-6
小林源文 『Cat Shit One '80』Vol.1 ソフトバンククリエイティブ、2008年: ISBN 978-4-7973-4849-1
小林源文 『Cat Shit One '80』Vol.2 ソフトバンククリエイティブ、2009年: ISBN 978-4-7973-5284-9
小林源文 『Cat Shit One '80』Vol.3 ソフトバンククリエイティブ、2010年: ISBN 978-4-7973-5912-1
小林源文 『Cat Shit One '80』Vol.4 ソフトバンククリエイティブ、2013年: ISBN 978-4-7973-7274-8
小林源文 『Cat Shit One JP』ソフトバンククリエイティブ、2011年: ISBN 978-4-7973-6337-1

脚注

注釈

出典

関連項目

ベトナム戦争
特殊部隊
のらくろ

外部リンク

サイト'>CAT SHIT ONE -THE ANIMATED SERIES-offical site
Cat Shit One
YouTubeの映画版配信チャンネル'>YouTube - IDAチャンネル

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